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» 2017年01月10日 06時45分 UPDATE

池田直渡「週刊モータージャーナル」:新型スズキ・スイフトが国内外に与える影響 (2/3)

[池田直渡,ITmedia]

ポスト軽自動車

 さて、日本のマーケットはどうだろうか? スズキは国内で、軽自動車のアルトを基本に、高さ別に3種のボディを用意し、アルト(1475〜1500mm)、ワゴンR(1660mm)、スペーシア(1735mm)の中核モデルを構築し、さらにそれらのバリエーションモデルを展開している。ラパン(1525mm)やハスラー(1665mm)がそれだ。

 ちなみにホイールベースを比べるとアルトとラパンは2460mm、ワゴンR、スペーシア、ハスラーは2425mmだ。これを見ると、ラパンがアルトの、ハスラーがワゴンRの派生車種であることが分かる。基本シャシーをうまく共用しながら、派生モデルを生み出して、需要を喚起できている。

いかにもスズキらしい質実剛健なデザインだが、ステアリングを変形にしたのはいただけない いかにもスズキらしい質実剛健なデザインだが、ステアリングを変形にしたのはいただけない

 スズキが現在目指しているのは、軽のマーケットを維持しながら小型車への進出をさらに進めることだ。軽自動車税(地方税)の見直しは2015年に既に行われているが、新車販売台数の中で軽が40%まで伸張した結果、地方自治体にとっては自動車税収(地方税)の落ち込みが大きい。「軽自動車は半人前のクルマ」という感覚でお目こぼしされていた状況は既に終わり、税当局は本気で自動車税収の立て直しを行うつもりだろう。そうなったとき、軽自動車税は今後も段階を踏んでさらに上がっていくと見た方が良い。

 実際、増税以降軽自動車の販売の落ち込みは大きく、増税後の半年(2015年4月〜9月)を前年と比べると、スズキは21.5%ダウン、ダイハツは15.4%ダウンと大きく落とした。特にスズキはその悪かった数字をベースに翌2016年も10%ダウンという憂き目に遭っている。余談だが、同時期のダイハツは0.9%ダウンでほぼ横ばいだが、増税ショックからの立ち直りが見られないという意味では喜べる状況ではない。スズキやダイハツはその落ち込みを補うために、小型車へのシフトを余儀なくされているのだ。

 昨年スズキが国内ラインアップに新たにBセグメントのバレーノとイグニスを追加したのはこうした背景がある。今回スイフトのフルモデルチェンジで小型車の本命モデルのテコ入れが完了し、ラインアップの充実が図れたわけである。

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