今後のウェアラブル、主流は「衣類型」?第3回ウェアラブルEXPO(2/2 ページ)

» 2017年01月19日 10時40分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]
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眼鏡型端末は今年も人気

 昨年のEXPOと同様、今回も眼鏡型ウェアラブル端末の展示は目立っていた。中でも、来場者の注目を集めていたのは、エプソンの「MOVERIO」シリーズだ。

 「MOVERIO BT 2200」は、防水防塵加工が施されたヘッドセットで、ヘルメットの上から装着できる。投影装置を側面前方に配置し、AR(拡張現実)技術によってレンズ上にさまざまな情報を映し出す。今年2月に発売する予定だ。

photo MOVERIO BT 2200

 前身モデルの「MOVERIO BT 2000」は2015年9月に商品化に成功し、ビル管理業界や機器メンテナンス業界などで導入が進んでいる。同デバイスと合わせて使用されているのが、ニューソンやNTTデータと共同開発した「遠隔作業システム」だ。工場で働く作業員の視野をリアルタイムで管理者に伝送し、管理者は作業員のレンズ上に手順やマニュアル、作業動画を表示して業務を支援する仕組みだ。

photo 遠隔作業システムの詳細

 軽量のスマートグラス「MOVERIO BT 350」は、軽量性と映像表現の豊かさが特徴。現在、世界文化遺産の富岡製糸場で観光客向けのガイド用端末として導入されており、他にも博物館や映画館での需要を見込んでいる。

photo MOVERIO BT 350

注目度が高かったメガネスーパーの「b.g.」

 メガネスーパーが出展する「b.g.」は、主流のシースルータイプではなく、レンズの前方に投影装置を設けている点が特徴のデバイスだ。

photo 「b.g.」

 昨年の展示以降、スクリーンの小型化に成功したほか、ソフトバンクグループのPSソリューションズやアスラテックなどと協業が決定。農業、製造業、聴覚障害者の支援など幅広い分野への活用を見込む。

 ブースでは、b.g.に表示される3D設計図を使用してエンジンの模型を組み立てるデモや、植木鉢の土壌の状態を視認するデモが披露されていた。

 今月中に実証実験を開始し、18年にも販売を始める計画だ。担当者は「BtoB領域を主なターゲットと考えている。“眼鏡屋が開発したデバイス”ならではの掛け心地の良さを追求しているので、屋内外を問わずさまざまな業務で導入してもらえれば」と話している。

photo デモの様子

今後の市場はどうなる?

 現在のウェアラブル市場は、これまで主流だったスマートウォッチや活動量計の出荷が減少し、かつての盛り上がりに陰りが見えている。今回多く展示された衣類型や眼鏡型のウェアラブル端末は、市場が再び盛り上がるきっかけになるのだろうか。

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