眼鏡で社員の集中力を可視化 ジェイアイエヌ働き方改革をサポート

» 2017年01月19日 12時36分 公開
[ITmedia]

 眼鏡店「ジンズ(JINS)」を運営するジェイアイエヌは1月18日、眼鏡型ウェアラブル端末「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」を活用し、社員の集中力を可視化して労働生産性の向上をサポートする企業向けサービスを始めると発表した。「働き方改革」を推進する企業をターゲットに新たな市場を開拓する狙いだ。

 JINS MEMEには、スマートフォンアプリと連動した3点式目電位センサー、加速度センサー、ジャイロセンサーが搭載されており、装着した人の視線移動やまばたきの回数、体軸変化から集中力を計測することができる。

 企業が取り組む労働生産性向上施策(勤務時間帯の変更やテレワーク導入など)の効果(集中力)を測定する「アセスメント・サービス」を、携帯電話の販売などを手掛けるコネクシオと共同で展開する。

 価格は税別100万円(モニター価格)。1月18〜31日までモニター企業を募集し、4月3日から正式販売する。

photo 社員の集中力を計測できる眼鏡型ウェアラブル端末「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」

 ジェイアイエヌの事業開発担当、井上一鷹氏は「近年、各企業は労働生産性を向上させるために、さまざまな取り組みを始めているが、その効果を図る指標がないという課題があった。本サービスでは集中力を指標とし、それを可視化することによって効果を検証することが可能になる」と説明する。

 「どの時間帯に集中力が高まりやすいのかは人によって違う。分析することでその個人に合った勤務時間帯を設定するなど、より効果的な施策を打てるようになる」(井上氏)

 このほか、「Apple Watch」と連動して仕事中に休憩を取るべきタイミング(集中力の低下)をアラートしてくれるサービス「JINS MEME OFFICE for Apple Watch」も提供する。

photo ジェイアイエヌの事業開発担当、井上一鷹氏

 また、企業向けのWeb電話帳サービスを手掛けるPhone Appliとは、社員の集中力を社内ポータル上でリアルタイムに可視化する「テレワーク支援サービス」を展開する。在宅勤務や出張中の社員など“顔が見えない”相手の集中力を可視化することで、相手の集中力を妨げない適切なコミュニケーションをサポートする。

 価格は月額で、1アカウント税別500円(端末代は別料金)。アセスメント・サービスと同じ期間中、モニター企業を募集し、4月3日から正式に販売する。

 Phone Appliの石原洋介社長は「作業の集中力を妨げる要因の多くは、相手からの突発的なコミュニケーション。例えば、相手が何かに集中していると分かれば、電話ではなくメールなどで連絡することによって相手の集中力を妨げずに済む」と説明する。

 井上氏は「日本のホワイトワーカーの労働生産性は低いと言われ続けてきた。しかし、今後も労働生産人口が減る中では、1人1人の労働生産性を上げなければいけない。それを支援できるJINS MEMEは多くの企業に需要があると思う。新たな眼鏡市場を開拓していきたい」と意気込む。

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