巨艦メーカーの猛攻 アイホンが生き残る道は消費トレンドから見る企業戦略の読み解き方(3/3 ページ)

» 2017年02月03日 07時00分 公開
[大場美子ITmedia]
JMR生活総合研究所
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国内市場でビジネスを再構築

 今後の方針として、2016年度スタートの中期経営計画でも示されているように、北米市場中心に海外拠点の拡大に積極的に取り組んでいくのは当然と言える。一方で、売り上げの7割を超える日本市場で再度強みを再構築することが最大の課題である。

アイホンの用途別地域別売上高(出典:アイホン 第58期有価証券報告書より・JMR生活総合研究所加工) アイホンの用途別地域別売上高(出典:アイホン 第58期有価証券報告書より・JMR生活総合研究所加工)

 重点とすべきは、アイホンの強みを生かす集合住宅でのシステム型商品によるハウスメーカーとの取り組み、セキュリティ関連サービスとしてのプラットフォームビジネスへ挑戦することだ。

 「アイホン」ブランドはアイホンのコアとなっている。しかし、そのブランド認知はまだまだ業界関係者と名古屋都市圏居住者に止まっている。今後、国内市場においてアイホンが生き残るためには、なおのこと消費者にとって商品サービスを選ぶ際の「選択の手掛かり」となるブランドとして、あらゆる接点を通じて、新しいメッセージを届けることが求められているのだ。

著者プロフィール

大場美子(おおば よしこ)

JMR生活総合研究所ディレクター。生活研究に基づいたマーケティングリサーチとコンサルティングにより、主に消費財メーカーのブランド戦略、コミュニケーション戦略立案に関わっている。


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