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» 2017年02月24日 19時34分 UPDATE

危険行動をリアルタイム通知:高齢ドライバーの運転「見える化」 オリックスが新サービス

オリックス自動車は、高齢者の運転を見守るサービスの提供を開始。テレマティクスで運転行動を「見える化」することで、事故リスクの低減につなげる。

[加納由希絵,ITmedia]

 レンタカーサービスのオリックス自動車は、テレマティクス技術を活用して高齢者の運転を「見える化」する見守りサービスの提供を始めた。高齢ドライバーの家族向けに、速度超過や急加速といった危険行動や位置情報などを知らせる。本人と家族が運転傾向や近隣の危険箇所などを知り、運転に対する意識を高めることで、事故リスクの低減につなげる。

photo 「あんしん運転 Ever Drive」のサービスでは、運転情報をWebサイトで確認できる(画像の一部を加工)

 65歳以上の高齢者の運転免許保有数は約1700万人で、2人に1人は免許を持っている。また、交通死亡事故の発生件数は減少傾向にあるが、75歳以上のドライバーによる事故は増加傾向。2015年に発生した死亡事故のうち、75歳以上のドライバーによるものが約13%を占めた。

速度超過や長時間運転を知らせる

 同社は、運転傾向を把握して事故リスクを減らすことを目的に、見守りサービス「あんしん運転 Ever Drive」の提供を2月1日から開始。高齢ドライバーやその家族の不安を軽減し、安心して運転できる環境づくりを支援する。

 対象となる車両には、専用の車載機を搭載。全地球測位システム(GPS)などによって、車両の速度や位置、経過時間などの情報を取得する。速度超過や急加速、急ブレーキといった危険挙動が発生した場合や、2時間以上の長時間運転をしている場合には、リアルタイムで家族にメールを送る。自宅や宿泊先などの指定場所に到着したことを知らせるメールや、日々の運転状況を知らせる1日1回のメールを受け取ることもできる。

 また、運転情報を蓄積した「運転レポート」をWebサイト上で提供。本人と家族が一緒に毎日の運転を見直すことができる。運転レポートでは、走ったルートや危険挙動が発生した場所を地図上に表示。運転時間や燃費なども確認でき、最大3カ月分の情報を閲覧可能だ。危険な箇所に注意して運転するきっかけになるだけでなく、認知症などによる行動の変化にも気付きやすくなる。

 月額利用料は2980円(税別)。車載器などにかかる初期費用として1万円が必要だが、5月末までに申し込めば無料となる。

photo 利用車両に搭載する車載機

各世代の運転をサポート

 新サービスは、同社が06年から提供している法人向けサービス「e-テレマ」を個人向けに応用して開発した。法人向けサービスでは、業務中の運転で発生した危険挙動を知らせる機能などを提供。導入した企業では、速度超過や急加速などの危険挙動が、導入後1年で平均65%減っているという。e-テレマ導入企業は約2000社、利用台数は13万7000台に上る(16年9月末時点)。

 2月24日に開いたサービス説明会で、同社リスクコンサルティング部の竹村成史部長は「e-テレマのシステムを家族向けに活用することが新サービスのコンセプト」と説明。また、法人向けサービスで取得したデータと、新サービスで得られる高齢ドライバーのデータを組み合わせて有効活用するサービスの可能性にも触れた。「自治体や研究機関、病院など、関係各所と連携して一歩進んだサービスを提供したい」と語った。

 Ever Drive開発責任者の中村健太郎氏は「企業ドライバーの事故を減らすことを支援してきたが、免許を取ったばかりの若者や高齢ドライバーには届いていない。これまでのノウハウを活用して、若者や高齢者の運転を見える化し、支援したい」と強調。各世代において、運転への意識と自覚を高めるサポートを行う方針を示した。

 高齢ドライバーの現状について講演した、NPO法人高齢者安全運転支援研究会の岩越和紀理事長によると、「高齢者の歩行徘徊(はいかい)対策のネットワークはできているが、車による徘徊はまだ対策されていない」という。給油行動などにばらつきがあることから、まずは運転行動の実態を把握する必要性を指摘。その上で、「地域のネットワークを作っていかなければならない」と話した。

photo NPO法人高齢者安全運転支援研究会の岩越和紀理事長が高齢ドライバーの現状を解説

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