西武鉄道の強みは何かグループ全体でレジャーを提供(2/3 ページ)

» 2017年03月13日 08時00分 公開
[小林拓矢ITmedia]

球団経営と鉄道

 埼玉西武ライオンズは、いまや少なくなってしまった「電鉄系球団」である。残りは阪神タイガースだけである。かつては近鉄や南海、阪急、東急、そして国鉄も球団を持っていた。なお、ライオンズはかつては福岡にあり、西鉄ライオンズとして力を轟(とどろ)かせていた。その際に所有していたのは、西日本鉄道である。

 ライオンズは、強い。球団経営において利益の向上は大事だが、やはり優勝しないと意味がない。その意味では、森祇晶監督が就任していた当時の西武ライオンズはすばらしかった。

 8度のリーグ優勝、6度の日本一。監督としての輝かしい実績だ。選手もすばらしかった。秋山幸二、清原和博、デストラーデ、田辺徳雄、渡辺久信、工藤公康。名選手たちが優勝に貢献し、いまでも西武ライオンズの強さは当時小学生だった人たちの間で語り継がれるくらいである。

 強さは、そのまま球団の強みである。球団の強みは、親会社の強みである。その強みが生かしきれているとはいい難いが、強い球団が多くのファンを球場へと引き寄せることは間違いのないことである。

 もちろん、西武鉄道も西武ドームへのアクセス路線を持っている。西所沢から分岐し、西武球場前へ向かう狭山線と、西武遊園地から西武球場前へと向かう山口線である。特に狭山線のホームは、3面6線と球場から自宅に帰ろうとする人をさばくには十分な容量である。列車は、西所沢に向かうものだけでなく、試合のある日には池袋や西武新宿に向かうものも多い。

 所沢に球場があるので、さまざまな人の流動を生み出す。休日のデーゲームには、遊園地と同じような都会からの流動もあれば、鉄道でアクセスしやすい球場ということもあってか、さまざまな方向から人がやってくる。その人を、西武鉄道が一手に担うのだ。

西武鉄道の路線図

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