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» 2017年03月13日 22時14分 UPDATE

キュレーションメディア問題を受け:「事業再開は白紙」DeNAの2時間会見 (1/2)

DeNAは3月13日、キュレーションメディア事業についての記者会見を行った。守安功代表取締役社長、南場智子代表取締役会長、小林賢治執行役員が出席し、把握している問題点、今後の対応、関係者の処分、事業再開のめどなどについて語った。記者からの質問は相次ぎ、会見は2時間にわたった――。

[青柳美帆子,ITmedia]

 DeNAは3月13日、キュレーションメディア事業問題に関する第三者委員会の報告書を公開。同日、東京・渋谷で行った記者会見に守安功代表取締役社長、南場智子代表取締役会長、小林賢治執行役員が出席し、把握している問題点、今後の対応、関係者の処分、事業再開のめどなどについて語った。記者からの質問は相次ぎ、会見は2時間にわたった――。

 ゲーム事業に次ぐ新規の収益の柱を模索していた同社は、キュレーションメディア事業に着目。2014年にiemo社とペロリ社を子会社化し、ターゲットを細分化して情報を発信するキュレーションメディア事業を本格的に開始した。「WELQ」をはじめとする10のキュレーションメディアは成長し、新たな収益の柱と期待されていたが、16年11月に著作権侵害や医療情報の取り扱い方法などの問題が表面化。現在全ての記事を非公開化している状態にある。(関連記事

左から、小林賢治執行役員、守安功代表取締役社長、南場智子代表取締役会長。記者会見に出席し、深く頭を下げた

DeNA守安社長「コンプライアンス対応不十分だった」

 第三者委員会の報告を受け、守安社長は問題点が「著作権侵害の記事があったこと」「薬機法などに違反する記事があったこと」「倫理的に内容が不適切な記事があったこと」「プロバイダ責任制限法が適用されない範囲に関して不適切な対応があったこと」にあると語る。これらの問題が発生した理由は、3つに集約できるという。

 「1つ目は、読者に向けて本質的な価値を提供し、世の中への貢献を優先していなかったこと。2つ目は、メディアやプラットフォームなど事業の定義や理解が曖昧なまま事業を推進し、適切な運用ができていなかったこと。そして3つ目は、管理体制の不備があり、早期発見ができず、コンプライアンスが徹底できていなかったことです」(守安社長)

 報告書には、同社の社風に「数値主義」があり、経営会議において業績の報告や目標の達成・未達成が議論の中心にあったとある。キュレーションメディア事業においても、目標数値が非常に高く設定されており、関係者が「守安功社長からの指示があり、目標達成することを強く求められている」と感じているような状況であった。

 このような状況下で、著作権侵害や薬機法違反の恐れのある記事が量産されうる環境が生まれていたと委員会は指摘。関係者の中には現状にリスク意識を抱いていた者もいたが、その意見がくみ上げられにくい状態にあった。また、「伝えたつもりになっていても、意図が伝わっていなかった。特に目標設定については、コミュニケーションが不十分だった」(守安社長)という。

 「新しいことに挑戦し、成長し続けていくのが当社のDNA。それと同時に成長に伴う責任や義務を果たすための管理、コンプライアンス、ガバナンスを強化して足場を固めなければいけませんでしたが、そちらに対しての対応が不十分だった。根本的な解決のためには、経営陣をはじめ、全従業員の徹底的な意識改革が不可欠。会社としての大きな変革が必要だと考えている」(守安社長)

守安社長

南場会長、代表取締役復帰。中川氏と村田氏が辞任

 報告書を受け、DeNAは12日の取締役会で「トップマネジメントの強化」「取締役会による業務執行に関する監視」「コンプライアンス・管理体制の強化」「抜本的な意識改革」と4つの方針を決定。南場会長が代表取締役に復帰するとともに、コンプライアンスとリスク管理に関する最高責任者を定めると決めた。

 「『DeNAは儲け(もうけ)主義だよね。だからこういう事件が起こるんだよ』といった声を社内外から受け、本当につらかったし、深く反省しました。お客様への提供価値、社会への貢献を事業推進の中枢に据えて、全ての意思決定、行動を変えていくと改めて決意しました」(守安社長)

 「守安社長と私は得意な部分が異なる。1人の意志決定ではなく、2人で確認をしながら、複眼的に行っていく。今後は私自身も代表取締役として強い決意を持って、DeNAが再び社会から存在を許される会社になるよう全力を努めてまいります」(南場会長)

 また、関係者の処分も決定。守安社長は月額報酬の50%を6カ月減給。子会社ペロリ代表取締役の中川綾太郎氏は、3月12日付で辞任。事業の中心人物であった村田マリ氏は現在シンガポール在住だが、DeNA執行役員、子会社iemo取締役、Find Travel取締役を辞任する意向をメールで示した。中川氏と村田氏は当面人事付となり、キュレーション事業から離れる。DeNAを退社するなどの意向は現時点ではないという。

 「2人のメンバーは誠心誠意やっていたし、誠実に調査に協力していた。2人の有能な若者を正しく導けなかったDeNAの責任は重く、ずっと私たちが背負っていかなければいけないことだと思っている。この2人に厳しい処分を出すのは、コンプライアンス違反の重みを社内外に徹底して示す必要があるという決断からです」(南場会長)

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