不振だった「USJ」が急成長できた理由長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/4 ページ)

» 2017年03月14日 06時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

お金を使わずに集客

 10周年(2011年)の企画は、社内の資源を使ってお金を使わずに集客するプランを考案。例えば、今まで重視していなかったストリート・パフォーマンスの一種である、アトモスフィア・エンターテイメント(フラッシュモブなど)を強化した。

 これは、仕事をしているフリをしているクルー(従業員)が、突然楽器を鳴らすと、他のクルーも別の楽器を鳴らし出し、さらに入園者(仕込まれたパフォーマー)がダンスを踊ったりして、気が付くと一大パフォーマンスになっているというものだ。

 このフラッシュ・モブは大ウケし、大金を注ぎ込まなくても大きな感動を生みだせることを実証した。社員の意識改革の第一歩となった。

 さらには、ハロウィーン期間に年間パス購入者限定で行っていた「ゾンビに遭遇するイベント」に着目。USJの特殊メイクの技術でゾンビのクオリティーは非常に高く怖いので、日頃のストレスを解消したい若い女性に人気があった。

 これを大規模化することを決断し、夜になるとゾンビがあちこちで徘徊する「ハロウィーン・ホラーナイト」を実施した。巨大お化け屋敷と化し、ゾンビたちが入園者を追い回すUSJは超満員となり、前年まで7万人の集客だったハロウィーンイベントが、5倍以上の40万人を記録した。

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