コラム
» 2017年05月02日 08時00分 UPDATE

常に完璧を目指す:それでも東急沿線に暮らしたい人は多い (1/3)

東急沿線の中でも田園都市線の混雑は厳しい。それでも、多くの人がこの沿線に暮らす。その理由は……?

[小林拓矢,ITmedia]

 東急沿線の中でも東横線や田園都市線は、家賃や住宅価格が高いといわれている。一方で、特に田園都市線の朝ラッシュ時の混雑は厳しくて、ピーク時の池尻大橋から渋谷までの区間は混雑率184%となっている。これは、首都圏の大手民鉄では最も高い数字だ(注:東京メトロは除く。東京メトロのもっとも高い混雑率は、東西線の木場〜門前仲町間、199%である)。

 混雑の影響を受け、田園都市線はラッシュ時の「急行」の運行を止めてしまった。「準急」として、二子玉川から渋谷までの間は各駅に停車することにした。そうでないと、列車が詰まってしまうのだ。

 それでも、田園都市線沿線に暮らしたいという人は多い。ラッシュゆえにこの地を去ろうとする人は少ない。なぜか。東急沿線の暮らしは、心地いいからだ。

東急沿線になぜ人は集まるのか? (出典:東急電鉄)

東急沿線の暮らしとは

 東急沿線で暮らすと、あらゆるサービスが東急によって供給されていることが分かる。鉄道だけではなく、不動産、スーパー、百貨店なども手掛けている。スーパーにいたっては、駅周辺住民の所得階層に合わせて、一般向けのスーパー「東急ストア」と高級スーパー「プレッセ」を使い分けているのだ。

 もちろん、東急沿線での消費生活が便利なように、クレジットカードもある。PASMO機能を備えているだけではなく、JALのマイレージも貯められる。

 その上東急は、ケーブルテレビなどの情報インフラや、電力などのインフラをも持っている。電力の自由化により、家庭用の電力事業に参入してきたのだ。

 家でも、東急なのである。

 もともと東急は、住宅のための土地を販売する会社だった。そのため、土地をどう扱うかについてはノウハウがある。そして、東急の持てる能力と理想をすべて注ぎ込んだのが、田園都市線のニュータウン計画なのだ。

 昨今、ニュータウンはもうダメなのではないかという声が高まりつつある。しかし、東急のニュータウン・多摩田園都市は活気を失っていない。

 住民が鉄道を使うという前提でニュータウンをつくり、そこで理想の暮らしを営めるようにする。それが、東急なのだ。

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