今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。
欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。
2017年1月20日の就任から順風満帆――とは言えないドナルド・トランプ大統領。オバマケア(医療保険制度改革)を撤廃して修正する代替法案を撤回したり、イスラム教徒が多く暮らす6カ国からの入国禁止命令は連邦地裁によって執行停止されたり、苦しい状態が続いている。
現時点で、内政では、締結すらしていなかったTPP(環太平洋パートナーシップ協定)を離脱すると決めたくらいしかインパクトを残せていない。外交でも、北朝鮮のミサイル発射実験問題で米国や中国、日本や韓国の立場と現実が再確認されただけに過ぎないようだ。シリアに空爆を実施したが、もうすでに忘れ去られている。
そんなトランプのトレードマークといえばTwitterによる発言だ。これまではその発言に注目が集まり、いちいち大きなニュースになっていたが、もはや世間は彼の発言に大して驚かなくなっている。例えば、3月28日に、ヒラリー・クリントンたちがロシアにウランが流れる契約をした、と事実誤認のツイートをしたが大きな問題になっていない。トランプでなければ大騒動になっていたはずだ。
大統領という立場にもかかわらず、品格のないツイートは相変わらず続いている。4月1日には、米有名ジャーナリストをつかまえて「眠たそうな目」をしているとツイートしてバカにしたが、大して報じられなかった。もはや人々の感覚も麻痺(まひ)していると言っていい。
とにかく、相変わらず言いたい放題のTwitterで国民にメッセージを送り続けるトランプ。内容の真偽はさておき、実は彼の言葉は、もしかしたら人類にとってプラスになるかもしれないのだ。
どういうことか。まず前提としてトランプの言葉について説明したい。
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