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» 2017年06月01日 07時17分 UPDATE

世界を読み解くニュース・サロン:トランプはクビになるのか 「ロシアゲート」を解説 (1/5)

トランプ大統領に絡んだ「ロシアゲート」が話題になっている。次々に新しい暴露話が出てくるので、「よく分からない」という人もいるはず。一体、何が起きているのか。トランプはクビになるのか。解説する。

[山田敏弘,ITmedia]

世界を読み解くニュース・サロン:

 今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。

 欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。


 今、国際情勢でアツい話題といえば、米国のドナルド・トランプ大統領に絡んだ「ロシアゲート」だろう。

 トランプ政権とロシアの関係が取り沙汰されているが、次々と新しい暴露話が出て来るために、「よく分からない」と感じている読者も多いかもしれない。この騒動は、トランプ大統領の弾劾(そして罷免、つまりクビ)につながりかねないと指摘する声もあり、今後トランプ政権の行方を左右するものであると同時に、国際的な情勢にも影響を与えかねないと見られている。

 著者も最近、一体何が起きているのか、と質問されることが少なくない。そこでできる限り分かりやすく「ロシアゲート」について徹底解説してみる。こうした解説記事は英字メディアでは「Explainer(エクスプレイナー)」などと呼ばれるが、今回は「ロシアゲート、エクスプレイナー」をお届けしたい。

 ビジネスマンだったドナルド・トランプとロシアの関係は、1980年代にさかのぼる。トランプは何度かビジネスでロシアを訪問し、米国内でもロシア要人(ミハイル・ゴルバチョフなど)に会っている。2013年、トランプ自身もテレビ番組で「ロシア人とは多くのビジネスを行ってきた」「ウラジミール・プーチンとは知り合いである」と述べていた。

 そしてすべては、2015年からの米大統領選で始まった。ロシア政府機関とつながるハッキング集団が、トランプの対抗政党である民主党全国委員会のコンピュータシステムに侵入。それを察知したFBI(米連邦捜査局)は同委員会に繰り返し連絡をして警告するも、対策は行われなかった。

 このころ、トランプはロシアのプーチンをよく知っており、ロシア政府要人らとも会ったことがあると何度も吹聴していた。当時、外交経験ゼロと指摘されていたトランプは、そうすることでグルーバルな人間だと主張しようとしていたと指摘されていた。

 2016年6月、米ワシントンポスト紙は、民主党全国員会がハッキングによるサイバー攻撃を受けたと報じ、翌7月になるとロシアのハッカーが民主党の内部メールや文書をネット上で暴露する。またトランプはこのころから、「プーチンと会ったことはないし、プーチンは何者か知らない」とトーンダウンし始めるが、FBIはトランプ陣営関係者とロシアとの関係について極秘に捜査を始めている。

 10月、米国家情報長官室(DNI)と、米国国土安全保障省(DHS)は、このサイバー攻撃について、連名で「米情報当局は、米国の政治的組織を含む機関や米国人の電子メールに不正アクセスするようロシア政府が指示していると確信をもっている」という声明を発表し、ロシアが選挙にサイバー攻撃などで介入したと指摘した。

トランプ大統領とロシアの関係はいかに? (出典:トランプ大統領のFacebookページ)
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