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» 2017年06月05日 06時45分 UPDATE

池田直渡「週刊モータージャーナル」:トヨタアライアンスの現在地 (1/5)

これまで自動車業界の世界一争いは、トヨタ、フォルクスワーゲン、GMによる1000万台の年間生産台数が基準だった。そこにルノー・日産アライアンスが加わったわけだが、さらにトヨタは新たなアライアンス構築によって、唯一1600万台という巨大アライアンスへと踏み出した。

[池田直渡,ITmedia]

 自動車業界の世界一争いは、ここしばらくトヨタ自動車、フォルクスワーゲン、GMによる年間生産台数1000万台のラインでの三つ巴戦だった。

 ここで言うトヨタの1000万台について説明しておかなくてはならない。従来1000万台と言われてきたのは、米国基準準拠の連結子会社であるトヨタ、ダイハツ、日野に加え、持分法適用の関係会社であるトヨタ系中国法人3社の生産台数を加算した数値である。

 なぜそういうことが起きるのかと言えば、中国では国外企業の会社設立に際し、外資に51%以上の議決権を割り当てられないというルールがある。従って、3つの中国法人は決算基準上は持分法適用会社とされ、生産台数を持分比率に応じた分しか加算していない。

 しかし、中国は世界の4分の1という巨大市場であり、生産規模に対するインパクトが大きい上、技術はすべてトヨタ供与であることから、少なくともメーカーランキングを考える場合、中国での生産台数を加算して考えるのが普通になっている。だからトヨタの生産台数を調べると、中国を加算したものと非加算の2種類の結果が出てくるのだ。

決算発表に臨むトヨタの豊田章男社長 決算発表に臨むトヨタの豊田章男社長

 今年2月には、ルノー・日産アライアンスが三菱自動車を傘下に加えたことで、新たな1000万台プレイヤーが生まれた。すわ四つ巴とならないのは、トヨタは新たなアライアンス構築によって、この1000万台クラブを抜け出し、唯一1600万台という巨大アライアンスへと踏み出したからだ。

 ただし、この1600万台も増加分は連結どころか資本関係もない提携グループ内での話だ。中国法人の場合、実質的には子会社的であったが、これらはそれとも別に考えなくてはならない。こういう複雑な提携によって世界トップが争われるということが、2020年代に向けた自動車業界の新しい流れだと言えるだろう。

 そこで、この提携の内容をおさらいする必要がある。レクサスは現在カンパニー制を採るトヨタの一部門で、独立会社ではない。そのほかは以下のようになる。

子会社

ダイハツ トヨタ持ち株100%

日野 トヨタ持ち株50.3%

資本提携会社

スバル トヨタ持ち株16.77%(筆頭株主)

提携内容調整中

マツダ

スズキ

 以上を見渡すと、スバルはまさに今後次第で連結に加えられる可能性がある。議決権が15%を超えており、2位以下の株主が6%程度とトヨタ資本が抜きん出ていること、また今後トヨタアライアンスによって提供される電気自動車(EV)のコンポーネントなどによって、トヨタの実質的支配が強まる可能性があるからだ。

 以下に、現在のトヨタアライアンスにおける各社の狙いと役割を見ていきたい。

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