Amazon「プライムデー」、配送は「数カ月前から準備」6月下旬の配送遅延は「解消」

» 2017年07月10日 15時55分 公開
[青柳美帆子ITmedia]

 アマゾンジャパン(Amazon.co.jp)は7月10日午後6時から、有料会員向けスペシャルセール「Prime Day(プライムデー)」を行う。11日まで30時間にわたってのセールで配送量の増大が見込まれるが、6月下旬に多くの配送遅延が起きたこともあり、今回の配送対応を懸念する声が上がっている。ジャスパー・チャン社長は記者会見で「プライムデーに向け、配送と人員を数カ月前から準備している」と繰り返した。

「プライムデー」、配送はどうなる?

 プライムデーは日本では3回目の開催。家電、ゲーム、デバイス、ブランド品、ジュエリー、日用品などさまざまなカテゴリーの商品を最安値で提供。目玉企画として、5分おきのタイムセールや、メルセデスブランドの中核モデルにして“史上最速”をうたう「Mercedes-AMG E 63 S 4MATIC+」の限定1台販売などを予定している。

 プライムデーの主な狙いは、有料会員サービス「Amazon Prime」(プライム)の登録者増だ。プライムは年間3900円または月額400円で使えるサービス。配送時間短縮サービスの「Amazon Prime Now」や生鮮食品配送の「Amazonフレッシュ」などのショッピング特典のほか、映像コンテンツ見放題の「Amazonプライム・ビデオ」や音楽聞き放題の「Prime Music」などデジタル特典まで拡大している。日本では07年から提供を始め、「特典の拡大とともに、プライム会員は年々増えている」という。

 プライムデーでは、プライム会員特典のサービスを利用すると、ポイント付与や還元などを行うキャンペーンを実施。また、セールが始まる10日、東京・六本木のメルセデス・ベンツ コネクションに、プライムのサービスを体験できるポップストアを期間限定オープンする。Web上や実店舗で各特典の体験を促し、セール終了後も会員継続を狙う。

 プライムデーの売り上げについて具体的な金額は明らかにしていないが、16年の売り上げ(全世界合計)は、15年よりも50〜60%ほど拡大したという。

 今年のプライムデーも前年以上に注文が集まれば、プライム会員特典である当日〜翌日配送の利用が増えそうだ。そこで不安要素となるのが配送だ。

 これまでアマゾンの配送の大部分を担っていた業界最大手のヤマト運輸は今年4月、現場の負担を軽減するため、アマゾンとの取引を大幅に減らすと発表。その“穴”を埋めるため、アマゾンは一部地域において「デリバリープロバイダ」と総称する中小配送業者への委託を6月から始めた。しかし、6月下旬に数多くの配送遅延が発生し、消費者の「アマゾン離れ」を引き起こしかねない状況となっている。

 チャン社長によると、「配送遅延は実際に発生していたが、現在は解消した。まだスムーズになっていないところを直し、再発を防止したい」という。プライムデーの配送への対応は「数カ月前からさまざまなチームの体制を整え、配送や人員について準備してきた」というが、詳細は語らなかった。

プライムデーをアピールするチャン社長(写真中央)

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