1袋298円の高級ポテチも 湖池屋が「PRIDE POTATO」新商品プレミアム市場を創れ

» 2017年08月07日 16時52分 公開
[伏見学ITmedia]

 スナック菓子メーカー大手の湖池屋は8月7日、ポテトチップスの新商品発表会を開いた。2017年2月に販売開始した新シリーズ「PRIDE POTATO(プライドポテト)」の好調な売り上げを追い風に、新たにシリーズ4商品を順次発売する。

 新商品は「KOIKEYA PRIDE POTATO 手揚食感 長崎平釜の塩」(9月発売)、「手揚食感 柚子香るぶどう山椒」(同)、「今金男しゃく 幻の芋とオホーツクの塩」(10月予定)「インペリアルコンソメ」(11月予定)。価格は手揚食感およびインペリアルコンソメが150円前後、今金男しゃくが150万袋の数量限定で298円。

 現在までにPRIDE POTATOの既存3商品は合計24〜25億円の売り上げを記録しており、同社は一定の手応えを感じている。佐藤章社長は「商品の付加価値を高め、スナック菓子のプレミアム市場を創出していく」と意気込む。

湖池屋が「PRIDE POTATO」シリーズなど新商品数点を発表 湖池屋が「PRIDE POTATO」シリーズなど新商品数点を発表

“幻のじゃがいも”を使ったポテトチップス

 湖池屋は16年10月1日に複数のコーポレートブランドを統合。ロゴマークや商品イメージを刷新するなどして“新生湖池屋”として再スタートした。その意思表示と言える商品がPRIDE POTATOである。従来からのじゃがいもに加えて、塩などの調味料もすべて国産にこだわった点が特徴。

 今回の新商品の中でひと際目を引くのが、今金男しゃくの価格だ。他の商品と比べてほぼ倍額。これはどういうことか。

 原材料の今金男しゃくは、北海道今金町を産地とする男爵イモで、全国で0.3%しか生産されていない希少性から“幻のじゃがいも”と呼ばれているという。東京の市場では40年以上にわたって最高ランクの価格で取引されているこのジャガイモを使うことで、プレミアム感を打ち出すのが狙いだ。また、一般的に日本でポテトチップスに使用されるのはトヨシロやきたひめ、スノーデンといった加工食品用の品種であり、生食用である男爵イモを使うのは珍しい。

 同社はテストマーケティングのため、昨年秋に「ポテトチップスのり塩 今金男しゃく」(90グラム×6袋で税込1980円)という商品名でオンライン限定販売したところ、数日間で完売したという。

佐藤章社長(左)と小池孝会長 佐藤章社長(左)と小池孝会長

 PRIDE POTATOのほかにも新商品を発表。ロングセラー商品「カラムーチョ」「すっぱムーチョ」を進化させた「カラム―超 濃厚ビーフ煮込み XO醤仕立て」および「すっぱムー超 トリュフ香る帆立のカルパッチョ」を9月25日から全国のコンビニで発売する。価格は150円前後。

 さらに定番商品である「湖池屋ポテトチップス」をリニューアルし、9月11日から従来の「のり塩」「ガーリック」に加えて、「うま塩」と「サラダ」を販売する。価格は120円前後。それに伴い、既存商品の「うすしお」「リッチコンソメ」は販売終了する。

「湖池屋ポテトチップス」もリニューアル。国産ジャガイモを強くアピール 「湖池屋ポテトチップス」もリニューアル。国産ジャガイモを強くアピール

 昨年、北海道を襲った台風によってジャガイモの収穫量が激減し、その影響が今春の“ポテトチップス不足”という形になって表れた。湖池屋も商品の生産量や出荷数を調整するなど対応に追われた。その間、コンビニやスーパーマーケットの棚には別の商品を並べて補おうとするも「代わりを果たせたとは言い難い」(佐藤社長)。

 そうした中で「ただ同じ商品を戻すのではなく、より魅力的で本物志向の商品を並べていきたい」と佐藤社長は力強く宣言した。

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