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» 2017年08月29日 16時48分 公開

1年で会員100万人突破:スポーツ中継の“黒船”DAZN、快進撃は続くのか (1/2)

2016年8月の日本市場参入から1年間で、急成長を遂げているスポーツ配信サービス「DAZN」。ジェームズ・ラシュトンCEOと、DAZN日本法人の中村俊社長が、これまでの展開を振り返るとともに、今後の方針を語った。

[濱口翔太郎,ITmedia]

 8月27日、格闘技界で“夢の対決”が行われた。プロボクシングで49勝無敗・5階級制覇という偉業を成し遂げたのち、2015年に引退したフロイド・メイウェザーが1日限定で現役に復帰。世界最高峰の総合格闘技団体「UFC」の現役王者コナー・マクレガーとボクシングルールで対戦したのだ。

 試合では、序盤こそマクレガーが攻め込むシーンも見られたが、中盤以降は地力と経験で勝るメイウェザーがパンチを的確にヒットさせ、10ラウンドでTKO勝ちを収めた。

photo “夢の対決”として注目を集めた「メイウェザー対マクレガー」=プレスリリースより

 両者のファイトマネーが総額数百億円に上るとされるビッグマッチを日本で独占生中継したのが、スポーツのライブストリーミングサービス「DAZN(ダ・ゾーン)」だ。

 DAZNは、英Perform Groupが手掛けるサービスで、2016年8月末に日本市場に参入。格闘技だけでなく、国内外のサッカー、野球、バレーボールなどを配信している。日本市場参入からわずか1年間だが、格安な価格で大規模なコンテンツを配信することが支持され、大きな知名度を得ている。

photo DAZNのロゴ=公式サイトより

 DAZN日本法人が8月29日に開催した1周年記者説明会では、Perform GroupでDAZN事業のCEOを務めるジェームズ・ラシュトン氏が、同社のビジネス戦略について詳しい説明を行った。

格安な価格で大規模なコンテンツを配信

 DAZNは現在、日本市場のほか、カナダ、ドイツ、スイス、オーストリアの5カ国で展開している。日本での月額料金は1750円(税別、以下同)と、他のスポーツ中継サービスよりも安価な点が特徴だ。各コンテンツはスマホやタブレットのほか、テレビやPC、ソニーの家庭用ゲーム機「Play Station 3」「Play Station 4」などでも視聴できる。

photo 5カ国でサービスを展開=発表資料より

 ラシュトンCEOによると、DAZNの日本市場参入から1年間で100万人超の会員を獲得。約7500試合のコンテンツを放映し、累計約2000万時間のスポーツ中継がユーザーに視聴されたという。

サッカー配信が主力、ポドルスキ入団特番も

 主力コンテンツのサッカー配信では、日本の「Jリーグ」をはじめ、「セリエA」(イタリア)、「ブンデスリーガ」(ドイツ)、「リーガ・エスパニョーラ」(スペイン)、「リーグアン」(フランス)に対応。「プレミアリーグ」(イングランド)の中継を17〜18年シーズンから開始することも決定しており、“5大リーグ”と称される欧州の人気リーグの全てを網羅する唯一のサービスとなっている。

photo プレミアリーグへの対応も発表している=プレスリリースより

 中でも、約2100億円を投じて17年から10年間の長期契約を結んでいるJリーグの配信には特に注力。スタジアムに16台のカメラを導入し、臨場感のある映像を届けているほか、サッカー元ドイツ代表のスター選手、ルーカス・ポドルスキが7月にヴィッセル神戸に入団した際は独自の特集番組を配信するなど、オリジナルコンテンツの作成にも力を入れている。

photo ポドルスキ効果でドイツでのアクティブユーザーも増えている=発表資料より

 ラシュトンCEOは「ポドルスキ選手がJリーグに参加したことにより、ドイツでのJリーグ中継のアクティブユーザー数が8倍になるなど、他国でのビジネスにも良い影響が出ている」と説明する。

NTTドコモとパートナー契約を締結

 また、DAZNはNTTドコモとパートナー契約を締結しており、ドコモ端末のユーザーは月額980円でコンテンツが視聴できる施策「DAZN for docomo」も展開。ドコモの顧客基盤を生かした会員獲得にも積極的に取り組んでいる。

 ラシュトンCEOは「ドコモとの提携は売り上げに大きく貢献している。全国2400店舗に広がるドコモショップが、Jリーグのチームが拠点を置く地域にも存在していることが非常に大きい」と話す。

視聴形態はスマホが最多、テレビは伸び悩む

 ドコモとの提携の影響もあり、デバイス別の利用者はモバイル端末が34%でトップ。PCでの視聴者も33%を占める。

 ラシュトンCEOは「視聴形態は、18〜24歳の“ミレニアル世代”はモバイルで視聴するケースが多い。PCでは、さまざまな年齢層の方が均等に視聴している」と説明する。

 しかし、サービス開始当初に「場所を問わずスポーツが観戦できる」とのプロモーションを展開した影響などもあり、テレビでの視聴者数は1%にとどまっている。

 テレビでの視聴者の底上げを目指し、同社は「ビッグスクリーンキャンペーン」と題した施策を開始。8月27日から、俳優の妻夫木聡さんや歌手の和田アキ子さんがテレビでサッカー観戦するテレビCMの放送を始めている。

 今後は、コンテンツをさらに拡充しつつ、ドコモやJリーグなどパートナー企業との連携を強化する方針。20年の東京オリンピック開催に向け、日本でスポーツファンを増やす取り組みにも注力していくという。

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