仕事で強いストレス感じる人は6割も、ケア実施企業は減少厚労省調査

» 2017年09月08日 15時57分 公開
[ITmedia]

 仕事で強いストレスを感じているビジネスパーソンは前年度比3.8ポイント増の59.5%に上ることが、厚生労働省の2016年労働安全衛生調査で分かった。

photo 強いストレスを感じている労働者割合の推移=厚労省調べ

 ストレスの要因は「仕事の質・量」が53.8%でトップ。以下、「仕事の失敗、責任の発生など」(38.5%)、セクハラ・パワハラなど「対人関係」(30.5%)、昇進・昇格など「役割・地位の変化」(26.8%)、「会社の将来性」(22.2%)――と続いた。

photo ストレスの要因=厚労省調べ

 ストレスを感じている人が相談した相手は、「家族・友人」(81.3%)、「上司・同僚」(71.3%)などが多かった。一方、「産業医」(1.9%)、「産業医以外の医師」(1.8%)、「保健師・看護師」「カウンセラー」(ともに1.3%)など、専門家に相談する人は少数だった。

 ストレスによるメンタルヘルスの不調により、連続1カ月以上休職した人の割合は0.4%、退職した人は0.2%で、ともに前年度から横ばいだった。

 しかし、メンタルヘルス対策に取り組む企業は前年度比3.1ポイント減の56.6%と減少傾向にあることが分かった。特に従業員数30人未満の中小企業で実施が不十分だった。

photo メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業者割合の推移=厚労省調べ

 企業が取り組んでいるメンタルヘルス対策の内容は、「ストレスチェック」(62.3%)、「労働者への教育・研修・情報提供」(38.2%)、「事業所内での相談体制の整備」(35.5%)――などが多かった。一方、「地域産業保健センターの活用」(4.0%)、「産業保健総合支援センターの活用」(2.8%)など、専門機関を活用するケースは少なかった。

photo メンタルヘルス対策の取り組み内容=厚労省調べ

 調査では、民間企業1万3884社と労働者1万8025人を対象に16年10月31日現在の状況を聞き、それぞれ9564社と1万109人から有効回答を得た。

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