なぜ小池百合子は「仲間」との写真撮影に「3万円」を徴収したのかスピン経済の歩き方(1/5 ページ)

» 2017年10月03日 07時43分 公開
[窪田順生ITmedia]

 単なる「銭ゲバ」か、それとも稀代の勝負師ならではの「狙い」があるのか――。

 「希望の党」を立ち上げて代表に収まってから、やることなすこと注目を集めている小池百合子さんが10月1日、党公認候補予定者らとポスターやチラシに用いるためのツーショット写真の撮影を行ったのだが、そこで「撮影料」として「3万円」を徴収したという。

 「いくら選挙資金に困っているからって仲間からカネを巻き上げるなんて」

 「知名度のない候補者が小池人気に便乗しようとしてるんだから、それくらい当然だろ」

 「アイドルのイベントよりも高い、ボッタクリだ!」

 ……などネット上ではさまざまな意見があふれているが、ほとんどに共通しているのは、小池さんがこの「有料撮影会」を催したのは、「カネ集め」のためということだ。

 確かに、「3万円」という金額を聞けば、誰だって政治家が選挙前になると、オークラだ、帝国ホテルだとこぞって催す政治資金パーティーの「会費」を連想する。

 ホテルの宴会場を貸し切って、盛大なパーティーを催すよりも、1人数分の雑談と握手でチャリンチャリンと稼いでいく。なにかとつけて、「ワイズスペンディング(賢い支出)」をリピートする小池さんらしい効率の良い「カネ集め」と言えなもくなもない。

 だが、個人的にはこの「有料撮影会」は世間で言われていることだけではない、小池さんならではの「狙い」があるような気がしている。

 というのも、既にお気付きの方も多いかもしれないが、このようなイベントをやることで、小池さんには「カネ集め」を遥かに上回るだけの大きなメリットがもたらされているからだ。

 それはぶっちゃけて言ってしまうと、「ダメ候補者のあぶり出し」である。

党公認候補予定者らから「3万円」を集めることで……

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