なぜ小池百合子は「仲間」との写真撮影に「3万円」を徴収したのかスピン経済の歩き方(2/5 ページ)

» 2017年10月03日 07時43分 公開
[窪田順生ITmedia]

「自分の実力では選挙に勝てない」という共通点

「実力だけでは勝てる自信がありません」と申告しているに等しい

 「当選」という身分保障が欲しいため、政策や信念を二の次に、とにかく人気のある党首にくっ付くコバンザメのような「ダメ候補者」に限って、議員バッジを付けた途端、自らの実力で当選したかのように勘違いし、おかしな発言をして世間から嘲笑の的となったり、離党を繰り返したりという「問題議員」になりがちだ。橋下徹氏はTwitterやブログで「ガラクタ議員」と呼んでいる。

 3万円を握りしめて「小池百合子握手会会場」に列をなした人々は残念ながらそんな「ガラクタ議員」になってしまう可能性が高い。彼らは「自分の実力では選挙に勝てない」という共通点があるからだ。

 地元でそれなりに活動をしてきて、支持者や後援会を固めてきた候補者ならば、「希望の党」というネーミングと、党首である小池さんの「お決まり写真」をポスターのどこかに添えるような戦い方でもいいはずだが、それだけでは不安で、「小池代表との近さ」を有権者にアピールしたいということは、「実力だけでは勝てる自信がありません」と申告しているに等しい。

 このような政治家として明らかに「力量不足」の人たちを正確に把握しておくということが、実はこの「有料撮影会」の真の「狙い」ではないのか。

 戦争を始めようと思ったら、まずは自分たちの力を客観的に見極めなければいけない。どこに攻め込まれたら危ないのか、どこは鉄壁の守りなのか。この分析は「選挙戦」でも同じだ。

 弱い選挙区は、党として補強しなくてはいけない。特に、「希望の党」は小泉進次郎氏のように、応援に駆けつけて戦局をガラリと変えることができる「スター」が圧倒的に少ない。実力はないけれど「小池旋風」に乗ってどうにか国会に返り咲きを、というような明らかな「ダメ候補者」をあぶり出して容赦なく切っていく、という「選択と集中」が求められるのだ。

 つまり、今回の「3万円で握手写真」というのは、シビアな戦いを控えて非情な決断をしなくてはならない小池さんが仕掛けた、「ダメ候補者」を正確にあぶり出すための「踏み絵」という可能性があるのだ。

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