石けんを販売している会社の傘が、なぜ郵便局で売れているのか水曜インタビュー劇場(ポキン公演)(5/5 ページ)

» 2017年10月25日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]
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晴れの日に選んでもらえる傘

真柄: ビニール傘の販売サイクルはどのようになっているのか。傘メーカーは大量につくって、安く売って、消費者はそれを使って、壊れて、また買って……といった流れですよね。ただ、当社は傘メーカーではありません。化粧品や石けんなどを販売していますが、お客さまの肌を考えて、商品に合成の着色料や添加物などを使っていません。

 少し回りくどい言い方になってしまいましたが、自社商品を使ったお客さまの肌に、できるだけ負担をかけたくない、できるだけ環境に負担をかけたくない。こうした会社の考え方を知っていただきたいので、主力商品とは違ったモノでお伝えすることができればと。そのひとつが、傘だったわけです。

土肥: ふむふむ。

真柄: ビニール傘を使い捨て感覚で買われれる人って多いですよね。「ポキッと」はできるだけ長く使っていただきたいと思っているので、「大量生産」「低価格」で販売してもなかなかこちらの“想い”は伝わらないかなあと。コンビニやドラッグストアなどで販売すると、ひょっとしたらいまよりも2〜3倍売れているかもしれません。もちろん、そうしたところで販売するのがダメというわけではありません。ただ、現時点で「ポキッと」の認知度は高くないので、コンビニなどで販売すると、ビニール傘と同じように使い捨て感覚で購入される人がいるかもしれません。「また、新しい傘が出たのね」といった感じで。

土肥: 雨が降ったとき、どうするか。多くの人はコンビニや駅の売店などで購入する。しかし「ポキッと」は、まず郵便局で販売した。雨が降ったとき、傘を買うために郵便局に行く人はほとんどいませんよね。いま、傘が必要だから買うのではなく、「この傘を使えば、安全そうだね」「環境にもよさそうだね」と感じて、じゃあ、買おうかという人が多いのかも。

真柄: 雨の日ではなく、晴れの日に選んでもらえる傘になってもらいたいですね。

(終わり)

連載「水曜インタビュー劇場」が本になりました!

 東京の中心部で「赤い自転車」に乗る人が増えているワケ、漫画『コロコロコミック』が小学生男子のハートをつかむヒミツなど、54の売れている事例をご紹介しています。本連載『水曜インタビュー劇場』のほかに、『スピン経済の歩き方』『長浜淳之介のトレンドアンテナ』など、人気連載を大幅に加筆してました。また特別インタビューとして、『1行バカ売れ』の川上徹也氏、『新・観光立国論』のデービット・アトキンソン氏の声もご紹介。

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