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» 2017年10月27日 06時30分 公開

「MR流体」使用:自動運転に向けた“未来のブレーキ”は「流体×磁力」

東京モーターショー2017に、曙ブレーキ工業が「MR流体ブレーキ」を出展。磁気に反応して液体から半個体に変化する「MR流体」を取り入れた点が特徴。

[濱口翔太郎,ITmedia]

 「東京モーターショー2017」で、部品メーカーの曙ブレーキ工業(埼玉県羽生市)が、摩擦抵抗を利用しない電動ブレーキ「MR流体ブレーキ」を出展した。磁気に反応して液体から半個体に変化する「MR流体」を取り入れた点が特徴だ。

photo 「MR流体ブレーキ」のプロトタイプ
photo 「MR流体ブレーキ」のプロトタイプ

 タイヤに装着したベアリングと、タイヤを車体に固定する円盤状のパーツとの結合部にMR流体を充てんした構造。ブレーキペダルを踏むと、内蔵した電磁石のコイルに電流が流れて磁気が発生する。磁気に反応したMR流体が半固体に変化する際に抵抗が発生し、回転が止まる──という仕組みだ。

photo 仕組みの解説

 開発担当者は「反応速度の速さが最大の特徴。従来の5〜10倍の速さでブレーキを効かせられるため、俊敏かつ安定した車体の制御が可能だ」と自信を見せる。「自動車の発達スピードにブレーキの技術が追い付いていない現状を変えたい」と意気込む。

 実用化は20年頃の予定。現在はトヨタ車体の小型電気自動車(EV)「コムス」に搭載し、手動運転による実証実験を行っている段階だが、将来は人工知能(AI)による自動運転車への導入を目指す。

 「路面の状況に応じてAIが適切な速度を算出し、アイスバーンの上で急停止したり、下り坂で減速したりとブレーキを自動調節する形が理想だ」(同)

photo 実証実験の様子

 現在の主な課題は、MR流体にやや重量があり、カーブを曲がった際などに大きな抵抗が生じる点。課題の早期解決に向け、今後も実証実験と改善を繰り返していくという。

 開発担当者は「20年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に合わせて、自動運転に対応した観光車両に導入したい。訪日外国人に安全な観光を楽しんでもらいたい」と話している。

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