「6つの法則」でプレゼンは劇的に変わる「マイクロソフト伝説マネジャーの世界No.1プレゼン術」

» 2017年12月02日 11時40分 公開
[青柳美帆子ITmedia]
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 仕事で必要なスキルはなんだろうか。コミュニケーション力? 交渉力? 文章力?

 さまざまな答えが挙がるだろうが、「最も必要なスキル」と聞かれると、1つになかなか絞り切れなくなるかもしれない。この問いに対して迷うことなく「プレゼン力」と答えるのは、年間200回以上のプレゼンをこなす「プレゼンのプロ」である日本マイクロソフトの澤円(さわ・まどか)だ。

 プレゼンというと、PowerPointで資料を作って、チームメンバーや取引先の前で発表する――というイメージが強いが、澤が指す「プレゼン」とは、大勢の前で行うプレゼンテーションには限定しない。クライアントや取引先との打ち合わせ、プロジェクトメンバーへの説明、新企画の提案、新規の会社への営業活動など、さまざまな場面で発生するコミュニケーションを指している。

 澤のプレゼン術をまとめた著書「マイクロソフト伝説マネジャーの世界No.1プレゼン術」(ダイヤモンド社、税込1620円)には「それぞれの現場で評価され、第一線級の活躍をしている人たちはみな一様に『プレゼン力が高い人』ばかりです」とある。その裏返しとして、プレゼン力が劣れば、営業成績不振や、社内での発言力の弱さや、リーダーシップが発揮できないといった苦しみを抱くことになるという。

「マイクロソフト伝説マネジャーの世界No.1プレゼン術」

 では、どうすればプレゼンがうまくなれるのか。本書は6つの法則を紹介する。「誰かに伝えたくなるプレゼンを作る」「プレゼンは『ビジョン』から作る」「プレゼンに『核』を作る」「プレゼンを構成するポイント」「人に伝わるプレゼンにするためのコツ」「本番での振る舞い方」と、ゼロから本番までのテクニックが詰まっている。マイクロソフトの“中の人”らしく、「PowerPointの便利機能」の紹介があるのもニクい。

 面白いのは、本書自体が澤のプレゼン術にのっとって書かれていること。例えばこの記事の中ほどで紹介した「プレゼン力が劣ればさまざまな苦しみを抱く」。これは澤のプレゼンテクニックの1つで、聞き手(読者)が不安になるような話を展開し自分ごとに感じさせる「脅迫型ストーリー」だ。再読すると、あらゆるところでテクニックが使われていることが分かる。

 うまい講演を聞くと、「私もあんな風にうまく話したいなあ。でも、私は才能がないから難しいや」と卑屈になってしまうことがある。しかし本書を読むと「こんなに真剣にプレゼンに向き合ってないんだから、そりゃあ下手に決まっている!」と納得する。プレゼン下手ほど「まだまだこんなに鍛えられるポイントがある!」と自分ののびしろの大きさに驚くはずだ。

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