土肥: ハブの売り上げが好調となると、ライバルが増えるはず。パブ事業の参入障壁は何になるのでしょうか。
太田: 儲(もう)からないビジネスなので、誰もやらないのでは?(苦笑)。HUBを出店するのに、7000〜8000万円ほど必要なんですよね。それを回収するのに6年ほどかかる。飲食業界で、6年先のことを予想できる人はいるでしょうか? ほとんどいないと思います。
パブは地域コミュニティの場なので、流行り廃りの影響はあまり受けないでしょう。とはいえ、「変わらない」と言ってもらえるためには、常に変化していなければいけません。10年前と何も変わっていません、新しいメニューも出しません、キャンペーンもしません、といったスタンスだと飽きられてしまう。ただ、これまで一度も「パブブーム」がないんですよね(笑)。焼き鳥、串カツ、イタリアンなどのブームはありましたが、パブブームはない。業界の専門誌でもそのようなタイトルを見たことがない。
土肥: 確かに、パブブームは聞いたことがないですね。
太田: 外食産業には優秀な経営者がたくさんいます。時流に合わせてトレンドをつるくのが上手なので、すぐに投資回収をする。そして、次のトレンドを生み出す。業界関係者から「太田さん、パブだけやっていて、飽きませんか? 新しいことやりたいと思わないのですか?」とよく聞かれます。でも、パブはものすごく可能性があると思っているんですよね。
さまざまなシーンでデジタル化が進むと、コミュニケーションが不足するかもしれません。そうしたなかで、「今日はこんなことがあった」「あんなことがあった」といったことが語り合えるような場がこれからも必要になるになるのではないでしょうか。
(終わり)
ITmedia ビジネスオンラインの連載をまとめた書籍『バカ売れ法則大全』(行列研究所/SBクリエイティブ)が発売されました。本連載「水曜インタビュー劇場の人気記事をピックアップして、大幅に加筆。また弊誌では掲載していない記事もご紹介しています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング