いま、全国の郵便局で「傘」が売れている。郵便局に行っても、切手を買ってハガキを出す、お金を振り込むことが多いので「傘なんて売っているの?」と思われたかもしれない。しかし、販売してまだ1年も経っていないのに、売れに売れているのだ。
2016年12月から17年3月にかけて、東京、神奈川の164郵便局で試験販売したところ、2000本を完売。他の郵便局からも「ウチでも販売させてよ」といった声が多く、全国販売することに。6月に約4500の郵便局で販売したところ、1カ月で2万本も売れたのだ。その後も順調に売れ、10月に入って3万5000本を超えた。
傘の名前は「ポキッと折れるんです」(1080円、税込)。なんだかゆるーいネーミングだが、製造しているのは、ちょっとカタメの社名「長寿乃里」。初めて聞いた人は「老人ホームを運営しているの?」と想像されたかもしれないが、化粧品や石けんなどを主に通信販売で扱っている会社である。主力商品の洗顔石けん「然-しかり- よかせっけん」は累計2000万個以上も売れているので、使ったことがある人にとっては馴染みのある会社かもしれない。
長寿乃里が開発した傘「ポキッと折れるんです」が売れている
それにしても、化粧品や石けんなどを扱っている会社が、なぜ“畑違い”ともいえる傘をつくることになったのか。また、郵便局で売れている傘はどのような特徴があるのか。同社で新規事業を担当している真柄考幸さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
ITmedia ビジネスオンラインの連載をまとめた書籍『バカ売れ法則大全』(行列研究所/SBクリエイティブ)が発売されました。本連載「水曜インタビュー劇場の人気記事をピックアップして、大幅に加筆。また弊誌では掲載していない記事もご紹介しています。
→『バカ売れ法則大全』(Kindle版)
- 新刊『バカ売れ法則大全』 出ました!
ITmedia ビジネスオンラインの人気記事をまとめた書籍『バカ売れ法則大全』を刊行します。東京の中心部で赤い自転車に乗っている人が増えているワケ、『コロコロコミック』が小学生男子のハートをつかんでいる秘密などに迫っています。
- 殻を捨てた「ザク」が、20万個以上売れている秘密
バンダイが発売しているガシャポン「ザク」が売れている。機動戦士ガンダムシリーズに登場するザクの頭部を再現したものだが、最大の特徴はサイズ。カプセルよりも大きいこのアイテムはどのように開発したのか。担当者に聞いた。
- 大人になったら使わないのに、なぜ私たちは「分数」を学ぶのか
社会人になって「微分・積分や二次関数」を使ったことがある人は少ないはず。いや、ひょっとしたら、小学校の低学年で学ぶ「分数の足し算」も使ったことがないのでは。大人になっても使わないのに、なぜ私たちは「分数」を学んできたのか。その理由は……。
- 焼肉専用コンロ「やきまる」が、目標の5倍も売れているワケ
岩谷産業の焼肉専用コンロ「やきまる」が売れている。2016年に発売したところ、いきなり品薄状態に。年間目標の5倍ペースで出荷している理由を、開発担当者に聞いたところ……。
- 出版不況なのに、『コロコロコミック』が80万部も売れているヒミツ
出版不況と言われているのに、『コロコロコミック』が好調だ。なぜ子どもたちに支持されているのか。取材を進めていくと「うんこ・ちんちん原理主義」にたどり着いた。聞き慣れないこの言葉、どういう意味かというと……。
- なぜ研修にチカラを入れている会社は、パッとしないのか
上司から「研修があるから受けてきてね」と言われたことがある人もいるはず。ビジネスシーンでよくある光景だが、グーグルで人材開発を担当してきたピョートルさんに言わせると、こうした会社は「イケていない可能性がある」という。なぜかというと……。
- 7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.