仕掛け人が語る、ドコモがカーシェア参入のワケキーはもう、あなたの手のひらに。(3/3 ページ)

» 2017年12月11日 06時30分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]
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複数のパートナー候補と交渉中

 業界トップクラスのパートナー企業と提携して多様な車をそろえ、さまざまな顧客ニーズに対応したことも好調の一因だ。

 レンタカーでは、トヨタレンタカー、オリックスレンタカー、ニッポンレンタカー、日産レンタカー――など6社とASP事業者を介して連携。企業とのカーシェアは、当初はオリックスカーシェアのみと組んでいるが、現在「カレコ・カーシェアリングクラブ」を手掛ける三井不動産リアルティや、「カリテコ」を運営する名鉄協商と交渉中。対応する地域と車種の拡大を目指している。

photo 「カレコ・カーシェアリングクラブ」の公式Webサイト

 「旅行やウインタースポーツはレンタカー、買い物や送り迎えは企業とのカーシェアといったように、家族構成や趣味に応じて幅広い層のユーザーの利用が進んでいる。この動きを加速させたい」(伴野さん)と展望を描く。

 個人とのカーシェアについては「オーナーを募集したところ、米Tesla製のEV(電気自動車)や、4WD(四輪駆動車)『Jeep』といったユニークな車を提供する人が集まり、スポーツカーなども充実。レンタカーよりも格安な料金で利用できるため、自動車ファンに楽しんでもらいたい」(同)という。

カーシェアという文化を日本に根付かせる

 スタートは好調な「dカーシェア」だが、吉澤社長が掲げる「50万人」は大きな目標だ。今後どうユーザーを獲得していくのか。

 小笠原さんは「カーシェアリングは、ある日突然大ヒットするタイプのビジネスではない。カーシェアリングが不安だと考える層は依然として多いため、当面はユーザーに『dカーシェアは安全だ』と理解して頂くための取り組みを徹底したい」と話す。

 理解促進に向けた施策として、dカーシェア専用のコールセンターも設けた。「サービスの使用法や料金プランなどについて、丁寧な顧客対応を行っていく」という。

 必要に応じて、パートナー企業の拡大やアプリの改善も適宜実施する。伴野さんは「ゆくゆくは、自動運転などの最新技術との融合も視野に入れている」と話す。

 「収益の獲得だけではなく、日本にカーシェアリングという文化を根付かせることを目指したい」と小笠原さんは期待を込めている。

photo 「dカーシェア」への期待を語る、小笠原さん(左)と伴野さん(右)
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