コラム
» 2017年12月22日 11時51分 公開

『最後のジェダイ』公開記念:シャアVS.ダース・ベイダー 上司にするにはどちらがいい? 激動時代におけるリーダーの条件 (1/4)

『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』と『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 激突 ルウム会戦』が公開された2017年。両シリーズに登場する魅力的な、あまりにも魅力的な「敵」。ダース・ベーダーとシャア・アズナブルについて、作家の堀田純司さんがそのリーダーシップの違いを考える。

[ITmedia]

 12月15日、ついに『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』が公開されました。続3部作のうちの第2作になりますが、奇しくも今年は「機動戦士ガンダム」のプリクエル最大の山場が登場する、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 激突 ルウム会戦』が発表された年でもあります。

 そこでこの記事では、これら2作の公開を記念して、シリーズに登場する魅力的な、あまりにも魅力的な「敵」。ダース・ベーダーとシャア・アズナブルのふたりについて、そのリーダーシップのあり方を考えてみたいと思います。

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野望のベイダー

 銀河帝国皇帝の右腕的存在であり、帝国支配の恐怖の象徴として君臨したダース・ベイダー。華麗な軍装で戦場を馳せ、「赤い彗星」の名を轟かせたジオン公国の若き英雄、シャア・アズナブル。初登場時の年齢こそ違いますが、この両者には意外なほど共通点があります。

 まず彼らは、ともにただの軍人ではありませんでした。政戦ともに深い見識を備え、リーダーとしてのカリスマ性を持っていた。さらに個人的な武芸、戦闘技術に優れ、戦場ではつねに先頭に立ち、輝かしい戦果をあげます。

 そしてふたりとも仮面の男。その素性に秘密を宿していた。ベイダーは帝国のナンバー2、シャアは軍の英雄でありながら、最終的には立場を変える。“転回(ケーレ)”を迎えるのです。いや、転回ではなく、その行動こそが彼らの、仮面に隠された本質だったのですが。

 しかしやはり、この両者には大きな違いもありました。筆者(堀田)個人の感想でいうと、その中でも最大の違いは「野望」だった、と感じます。

 ダース・ベイダーは一度は妻に、もう一度は息子に、少なくとも二度、「皇帝を倒し、ともに銀河を支配しよう」と、目もくらむような権力への野望を口にしています。

野望に欠けたシャア

 一方のシャアは、目的のために他者を利用し、抹殺する冷徹さならば持っていた。しかし自分一個人の栄達のために謀略をたくらむ人ではなかった。

 最終的にはネオ・ジオン残党の総帥となりますが、それも自身が強く望んだことかどうか。たとえば彼は、ドズル・ザビの残したミネバについて「ミネバ様」と敬意を込めて呼んでいますが、自分自身がトップに立ちたいのであれば、ザビ家の姫御子を立てる必要はなかったはずです。

 シャアは、モビルスーツのパイロットとしてだけはなく馬術、剣術、雄弁術など男としてあらゆる才能に恵まれた人物でした。しかしたった1つだけ、かつての戦国大名が持っていたような強烈な「野望」が欠けていた。

 目的はある。しかし野望に欠けるために、しばしば目的も見失う。これがシャア・アズナブルという人の履歴を複雑にした理由だった。筆者などはそう感じます。

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