紙のカタログ通販市場は苦戦しているのに、なぜ「ラナン」は好調なのか水曜インタビュー劇場(分析公演)(1/5 ページ)

» 2018年01月17日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

 EC市場が拡大しているなかで、紙のカタログ通販がちょっと面白いことになっている。業界大手のニッセンや千趣会が苦戦する一方で、埼玉県上尾市に本社を構えるベルーナが好調なのだ。

 「えっ、本当に? いまさら紙のカタログって、信じられない」と思われたかもしれないが、伸びに伸びているのだ。2017年3月期の売上高をみると、前期比10.9%増の1460億円。18年3月期も同9.6%増の1600億円を見込んでいる(通販事業でEC比率は2割ほど)。

 ベルーナが発行するカタログの部数は約3600万部(前期比5%増)。紙離れに悩んでいる出版関係者からは「うらやましい」といった声が聞こえてきそうだが、いまも発行部数が増えているのだ。直近3年間で最も成長しているのは、12年4月に創刊した「ラナン」。初年度の売り上げは8億円だったが、その後は22億円、32億円、43億円、62億円と右肩上がりで伸ばしているのだ。

紙のカタログ通販市場が苦戦しているなかで、ベルーナは好調

 ラナンのメインターゲットは30〜40代の女性。この層をターゲットにしたモノやサービスは溢れているのに、なぜ売り上げを伸ばし続けているのか。ひょっとしたら、カタログの見せ方を工夫して、女性の心をガッチリつかんでいるのかもしれない。そこで、ラナンでカタログ編集などを担当している栗生澤由紀さんに、ファッションを魅力的に見せる編集術を聞いてきた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。

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