大人たちによって作り上げられた“ポスト真央”、本田真凛の悲劇赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)

» 2018年01月18日 10時58分 公開
[臼北信行ITmedia]
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フィギュアスケートに集中できる

 女子フィギュアの平昌五輪代表は全日本選手権優勝の宮原知子(関大)と、全日本2位で11月下旬に行われたGPシリーズのスケートアメリカでも2位に入った坂本花織(シスメックス)の2人が選ばれた。当然の結果だろう。

 中でも宮原は股関節疲労骨折で出遅れていたものの、16年には世界ランキング1位にも輝いた「女王」。現在の女子フィギュア界の第一人者である宮原と本田の共通の指導者が濱田美栄コーチだ。その濱田コーチは故障に屈せず猛練習を積んで代表の座をつかんだ宮原の努力と執念を称える一方で、夢破れた本田に対しては練習不足が原因と厳しく糾弾している。

 あまりにも周りからチヤホヤされ過ぎた挙句、人生最大の挫折を味わうことになってしまった本田。4年後の北京冬季五輪まで夢はお預けとなってしまったが、それでも開催時期の22年2月はまだ20歳なので、年齢的にはまったく問題なく再挑戦できるはず。

 平昌五輪出場を逃したことで今後、彼女の商品価値がグンと下がるのはやむを得ない。しかしながらそれをプラスに考えれば、注目されなくなることでフィギュアスケート一本に集中する環境が整う。姉弟子、宮原の平昌での活躍を目に焼きつけ、4年後に向けて再出発してほしい。

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2017年第4回まで全大会)やサッカーW杯(1998年フランス、2002年日韓共催、2006年ドイツ、2010年南アフリカ、2016年ブラジル)、五輪(2004年アテネ、2008年北京、2017年リオ)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


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