なんてことを言うと、仮に「隠れインフル」が原因だとしても、そこでなぜ我々「おじさん」ばかりを目の敵にするのだ、と不愉快になるおじさんも多いことだろうが、それにはちゃんと理由がある。
「風邪くらいで絶対に休めない」という常識を社会に広めている犯人だからだ。
2016年、第一三共ヘルスケアが30〜40代の4603人を男性を対象に調査をしたところ、約6割が「風邪で仕事を休めない」と考えていることが判明した。
つい先日も、『ネプリーグSP〜林先生VS11人の最強インテリ芸能人!冬の陣〜』で、「38度以上の熱で会社を休む人の割合」が45%、38度以上の熱があっても過半数の人が会社を休まないという調査結果が紹介されて話題となったので、特に驚くような結果ではないかもしれないが、この第一三共の調査で注目すべきは、この風邪でも「休まない派」を役職別に調べた点にある。
一般社員(47%)、係長/主任クラス(49%)、経営者(51%)などと比べて67%と圧倒的に「休まない派」が多いのが、なんと「部長クラス」だったのだ。
少しくらい熱や咳があっても出勤する、というと体力を過信している若者や、組織内での評価が定まっていない新人のイメージが多いかもしれないが、実は組織内である程度のポジションにつけばつくほど、「風邪くらいで休めない」と考えている事実が浮かびあがったのだ。
この結果は、冒頭で紹介した厚労省がまとめた患者数からもうかがえる。年齢別でみると、子ども世代を除いて最も多いのは40代(約29万人)で、次いで50代(約24万人)となっている。我が子から感染した親世代ということもあるだろうが、40〜50代といえば働き盛り世代で、組織人ならそれなりのポジションにもついている。
部長クラスの7割が「風邪でも会社にいく派」ということを踏まえると、「これくらい大丈夫」と無理に無理を重ね、最終的にごまかしきれなくなって病院に転がりこむ40〜50代もかなり多いのではないかと推察されるのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング