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» 2018年02月02日 06時00分 公開

鍵は充電スピード:EV普及の鍵、充電規格戦争を制するのはどこか (1/4)

充電規格の「勝ち組」を採用する自動車メーカーは、安定したサプライチェーンと充実したネットワークを追い風にできるが、「負け組」は研究開発などが徒労に終わるかもしれない。

[ロイター]
photo 1月24日、電気自動車(EV)を主流にするために不可欠な充電ステーション網の構築に携わる各メーカーは、コスト抑制のために充電プラグ形式などの規格の種類を限定する必要があると主張する。写真は都内で2015年、トヨタの超小型EV「i−ROAD」モデル(2018年 ロイター/Thomas Peter)

[フランクフルト 24日 ロイター] - ドイツの自動車メーカーは、米自動車大手フォード・モーターと協力して電気自動車(EV)用の高出力充電網を展開することにより、電源プラグや充電規格を業界標準として確立し、ライバル社に対する優位性を得ようと試みている。

現時点では、米EV大手テスラと日独の自動車メーカーでは、バッテリーと充電器を接続するプラグ形状や通信規格が異なっている。だが、EVを主流にするために不可欠な充電ステーション網の構築に携わる関係各社は、コスト抑制のためにはプラグ形式の種類を限定する必要があると指摘する。

「勝ち組」のプラグや通信規格を採用する自動車メーカーは、安定したサプライチェーンと充実したネットワークを追い風にできる、とアナリストは分析。長距離ドライブに不安を抱く顧客にとっても、彼らが手掛けるEVの潜在的な魅力を増すことになるからだ。

一方で、「負け組」規格を採用したメーカーは、自らの研究開発が徒労に終わる結果となり、顧客が最も普及した急速充電網を利用できるよう、組立ラインと車両設計の見直すための追加投資を強いられるリスクがある。

EV販売拡大に対応するグローバルな充電インフラ構築には、今後8年間で3600億ドルの投資が必要だとUBSは試算しており、現在使われている数多くのテクノロジーの絞り込みが鍵になると指摘している。

「急速充電ステーションは急成長するだろうが、接続や通信規格がそれぞれ違うという課題を今後解決していく必要があるだろう」と、UBSは今月発表した調査で述べている。

BMWやダイムラー、フォード、そしてアウディやポルシェなどを含むフォルクスワーゲングループは昨年11月、欧州18カ国の幹線道路沿いに400カ所の高出力充電ステーションを2020年までに整備すると発表した。

これは「コンバインド・チャージング・システム(CCS)」と呼ばれる欧州で支持されている急速充電規格が、爆発的な普及のために必要な「クリティカルマス」を得るための布石だ。

「突き詰めれば、EVに投資している人々の資産をどう保護するかという話だ」。そう語るのは、BMWでEV部門を率いるクラ─ス・ブラックロ氏だ。同氏はCCSを支援しているチャージング・インターフェース・イニシアチブ(CharIN)の会長も務めている。「私たちがCharINを発足させたのは、強力な立場を構築するためだ」

1種類の万能ノズルでどの車にでも燃料補給できる従来のガソリン・ディーゼル車とは異なり、まだ初期段階にあるEV市場においては、どの充電規格が普及するかを予想するだけでなく、EV充電でのさまざまな方式がいつまでも並立するのかどうかを見極めることさえ難しい。

しかし、バッテリーとEVの開発に何十億ドルも注ぎ込んでいる自動車メーカーにとっては、これは非常に大きな賭けとなっている。

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