ドンキとユニーの新業態店 「ほとんどドンキ」ユニーの従業員はドンキ流を実践できるか(2/3 ページ)

» 2018年02月21日 18時12分 公開
[昆清徳ITmedia]

総合スーパーが提供できない「楽しさ」

 今回のリニューアルの背景についてユニーの佐古則男社長は「ドラッグストアやコンビニといった競合が登場することで価格・利便性競争が激しくなった。競争環境は厳しさを増している」と説明する。そして、今後のマーケットで重要になるキーワードとして「ショッピングの楽しさ」を挙げた。

 今後、リアルの店舗が生き残るには「楽しさ」を提供しなければいけない。しかし、総合スーパーを展開してきた同社にそのノウハウはない。だからドンキに頼らざるを得ないというわけだ。

 もちろん今回の店舗にユニーの強みがまったく生かされていないわけではない。ドンキからユニーに乗り込んだ関口憲司取締役常務執行役員は「商品の仕入れや目利きはユニーが優れている。これはドンキの生鮮チームに足りないところだ。いいものを安く仕入れるノウハウはユニーに一日の長がある」と説明する。

photo ユニーが強みとする生鮮品コーナーもドンキ色が強い

今後の鍵は従業員の融和策

 ドンキの価格戦略や売り場づくりのノウハウは大きな競争力を持つ。しかし、新業態店舗が成功するかどうかはドンキとユニーの協力体制にかかってくるだろう。

 新店舗で働く社員は26名。そのうち11名がドンキからの出向者だ。パート・アルバイト180名のうち既存店から継続して働くのは140名。数ではユニー出身者が多いが、運営方法はドンキ流だ。関口執行役員が「ドン・キホーテが捨てられない『権限移譲』や『成果主義』をどれだけ意識として共有できるかが重要だ。一緒に働きながら店舗で意識を統一したい」と語るように、店舗運営を円滑に行って質の高いサービスを提供するには有効な融和策が欠かせない。3月下旬までにオープンする残り5店舗の動向が注目される。

photo ユニーの佐古社長(左から2番目)と関口執行役員(右から2番目)

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