「ネコカフェ」市場が急拡大! 過熱する“ネコノミクス”「ネコの日」

» 2018年02月22日 13時28分 公開
[鈴木亮平ITmedia]

 大和ハウス工業は2月22日の“ネコの日”に合わせて、「ネコカフェ」をコンセプトにした店舗併用住宅のモデルハウスを千葉市にオープンした。住宅内にネコと遊べるスペースとカフェスペースを設けたもので、同社は「ネコ人気が根強く、“ネコノミクス”はまだ続くと考えて提案を決めた」とする。

 リビングに、キャットタワー、爪研ぎ用のスペース、水飲み場などを設け、ネコとくつろげる空間に設計。カフェスペースを用意し、ネコカフェを運営できる住宅を提案している。

photo 「ネコカフェ」をコンセプトにした店舗併用住宅のモデルハウスをオープン
photo ネコカフェを運営できる住宅を提案

 狙いについて同社は「近年、ネコブームが過熱している。ネコカフェに対する需要もまだ高まっていくと考えており、開業を検討している層に訴求したい」と説明。

 情報サイト「全国猫カフェマップ」によると、2005年時点では4店舗しか存在しなかったネコカフェは現在、約500店舗に急拡大。首都圏だけでも150店舗を超えている。また、17年のネコの飼育数は952万6000匹で、イヌの飼育数(892万匹)を初めて上回った(ペットフード協会調べ)。

 「昨年、ネコと暮らすことを想定したモデルハウス『猫と暮らす家』を提案したところ、想定以上の反響があり完売した。“ネコノミクス”はまだ続くと思うので、今回もネコをテーマしたモデルハウスを提案することを決めた」(大和ハウス工業)

東京五輪を超える経済効果

 経済効果に詳しい関西大学の宮本勝浩名誉教授によると、15年のネコの経済効果は2兆3162億円。年間の経済効果としては20年の東京五輪(13〜20年の7年間で約3兆円)よりも大きいとされている。

 ネコブームのきっかけは、07年に登場した和歌山電鐵貴志川線貴志駅にいたネコ駅長「たま駅長」の存在が大きいと考えられている。当時、和歌山電鐵の乗車人数は少なく赤字が続いていたが、ネコ(たま)を駅長にしてみたところ、観光客が殺到。その年、たま駅長が生み出した経済効果は11億円にも上った。

photo たま駅長。ネコブームのきっかけをつくったと考えられている

 これが話題となり、広島県のJR芸備線志和口駅(りょうま駅長)や福島県の会津鉄道芦ノ牧温泉駅(らぶ駅長)などでネコ駅長が登場したほか、ネコカフェなどネコをコンテンツにしたビジネスが次々と生まれるようになった。

 また、飼育数の増加について宮本教授は「近年、高齢者の1人暮らし世帯や共働き世帯が増えている。高齢のために体調がよくなかったり、共働きでペットの面倒が見れない世帯にとっては、イヌよりも手間の掛からないネコをペットして選ぶようになった」と分析している。

 高齢者の1人暮らし世帯や共働き世帯は増加傾向にある。今後も、ネコの需要が高まっていくことで、ネコ関連のビジネスも拡大していきそうだ。

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