3点目はセクショナリズムを排除することだ。
専門能力を持つ社員が複数関わるプロジェクトでは、どうしてもセクショナリズムが蔓延しがちだ。「あの部署が案を示さないから我々は動けない」という理由でプロジェクトが進まないことが多々ある。
メルカリカウルの開発では、「自分の担当業務だけを行うのではなく、お互いの領域をカバーしあうことを心掛けた」(藤崎氏)という。例えば、一般的なアプリ開発では、デザインが100%決まらないとエンジニアが次の工程に進めないことがある。そういった事態を避けるために、デザインが完全に固まっていなくても、エンジニアはデザイン担当者や企画担当者の意図を読み取ったうえで開発を進めるようにした。「自分がお客さまだったらこう感じるという目線をエンジニアが持てば、そう大きな齟齬(そご)がでることはない」(藤崎氏)というのが理由だ。
結果的に、藤崎氏や大杉氏が構想したものとエンジニアが仕上げてきたものに大きな違いが出ることはなかったという。
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