福田次官のセクハラ騒動で、まだ語られていない本質的な問題スピン経済の歩き方(1/6 ページ)

» 2018年04月24日 08時00分 公開
[窪田順生ITmedia]

 財務省の福田淳一事務次官が、テレビ朝日の女性記者と会食中、「胸触っていい」「抱きしめていい」などの言葉を執拗(しつよう)に投げかけたというセクハラ騒動を受けて、さまざまな論争が巻き起こっている。

 「被害を訴えたのにネグったテレ朝のパワハラ体質にメスを入れるべき」

 「報道機関が会話を無断で録音して、週刊誌にネタを流しているほうが問題だろ」

 それぞれ大事な論点に違いないと思う一方で、この問題の本質をつくテーマについては、あまり論じられていないのが気にかかる。

 それは、なぜ福田氏が女性記者を「お店の女性」のように接していたのか、ということである。

 『週刊新潮』が音声データを公開した当初、普段から女性に対してこのような発言をよくするのかと質問された福田氏は以下のように答えている。

 「お恥ずかしい話だが、業務時間終了後、時には女性が接客をしているお店に行き、お店の女性と言葉遊びを楽しむようなことはある。また、仲間内の会話で、相手から話題を振られたりすれば、そのような反応をするかもしれない」

 だが、音声を聞けば、女性記者に対してもバリバリに「言葉遊び」を楽しんでいる。福田氏本人や擁護派のみなさんは、全体をみればセクハラじゃないことが分かるとか、森友問題などについて探りを入れてくるのではぐらかしているだけだと反論をしているが、あのデータ自体が捏造(ねつぞう)とかでない限り、「胸触っていい」などと福田氏が発言した事実が覆ることはない。

なぜ福田事務次官はセクハラをしたのか(出典:週刊新潮 4月26日号)
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