独禁法違反疑いのペット売買サイト、ブリーダーの「囲い込み」廃止公取委は審査終了

» 2018年05月23日 14時02分 公開
[ITmedia]

 犬や猫の繁殖業者(ブリーダー)と一般消費者の取引を制限していたとして、公正取引委員会が独占禁止法違反(排他条件付き取引)の疑いで審査していたペット取引仲介の「みんなのペットオンライン」(仙台市)はこのほど、問題視されていた「プレミアムパートナー制度」を廃止したことを明らかにした。

photo 「みんなのペットオンライン」の公式Webサイト

 同社は仲介サイト「みんなのブリーダー」「みんなの子猫ブリーダー」を運営。登録したブリーダーは消費者向けにペット情報を掲載でき、成約した場合は同社に手数料を支払う仕組みだ。

ブリーダーを“囲い込み”

 「プレミアムパートナー制度」は、一定の条件を満たした登録ブリーダーを優遇する施策で、(1)成約手数料を値引きする、(2)検索時の表示順位を上位にする――といった特典を付与する一方、他社サイトへのペット情報の掲載を禁じていた。

 同制度の適用者が他社サイトに情報を載せた場合、同社は(1)複数回注意する、(2)取り下げない場合は特典を受けられないようにする――などの処置を取っていた。

 だが公取委は、こうした仕組みは「他の仲介サイトの運営事業者と販売業者の取引機会を減少させ、事業者間の公正な競争を阻害する恐れがある」と判断。2月末には同社を立ち入り検査していた。

photo 公取委による見解をまとめた図(=報道発表資料より)

 同社は公取委の見解を踏まえ、検査に全面的に協力。自発的な改善措置を講じた結果、同制度の廃止を決めたという。すでに全ての従業員と登録ブリーダーに対し、廃止した旨を周知したとしている。

 同制度の廃止を受け、公取委は「独占禁止法違反の疑いを解消した」と判断し、審査を終了した。

謝罪コメントを発表

 みんなのペットは5月23日付で「心からおわび申し上げます」との謝罪コメントを発表。「競争を阻害する疑いがあったという事実を真摯(しんし)に受け止め、今後同様の行為が生じることのないよう、独占禁止法をはじめとする企業運営に必要な関係法令の順守に努めてまいります」としている。

photo みんなのペットオンラインによる謝罪コメント

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