攻める総務

他部門はリモートでも「総務だけ毎日出社」の理不尽、なぜ続く? “オフィスの番人”からの脱却方法は「総務」から会社を変える(1/3 ページ)

» 2026年09月10日 08時00分 公開
[豊田健一ITmedia]

 「総務は基本出社です。この前の台風の時は公共交通機関が乱れて本当に困りました」──ある企業の総務担当者から寄せられた切実な声だ。

 リモートワークが導入され、他部門のフロアは閑散としているにもかかわらず、なぜか総務フロアだけはいつも誰かが出社している。多くの企業でこのような「バックオフィスの出社矛盾」が生じている。

 「管理部門は出社してなんぼ」「会社にいて当然」という意識は、働き方が多様化した令和の今なお、根強く残っている。しかし、この「総務=出社」という当たり前を放置することは、優秀なバックオフィス人材の採用難や事業ストップの危機といったリスクにつながり、企業の衰退を招く可能性がある。

 今回は「総務=出社」問題が解決しない3つの要因を分析し、企業経営にもたらすリスクや具体的な脱却策、そして受け身になりがちな総務パーソンが取るべき行動について解説する。

soumu 「総務=出社」という当たり前はなぜなくならないのか(提供:ゲッティイメージズ)

なぜ「総務=出社」の呪縛は解けないのか? 3つの要因

 多くの企業でリモートワークが定着したにもかかわらず、なぜ総務だけ出社が前提なのか。その要因は、大きく分けて「物理的制約」「業務の性質」「心理的固定観念」の3つにある。

物理的制約:紙・ハンコと郵便物の壁

 最も大きな要因は、依然として残る紙とハンコの文化、そして毎日届く郵便物・宅配便の存在だ。契約書の押印や請求書の処理、届け出書類の作成など、物理的な紙を扱う業務が総務に集中している。

 また、会社宛てに届く郵便物を開封し、各部門へ振り分ける作業は、誰かがオフィスにいなければ成立しない。この物理的な処理が、総務をオフィスに縛り付ける最大の要因となっている。

業務の性質:「オフィスの守り人」としての駆け込み寺化

 総務は、オフィスの設備管理や来客対応、突発的なトラブル対応など「リアルな場」に関連する業務を数多く抱えている。電球の交換や複合機の紙詰まり、来客へのお茶出しまで「オフィスで何かが起きたら総務に言えばいい」という構造が出来上がっているため、現場を離れることが難しい。

心理的固定観念:経営陣や他部門からの「会社にいて当然」という意識

 長年培われた「管理部門は社内のサポート役であり、席にいていつでも対応できるようにしておくべきだ」という意識が、経営陣や他部門の社員の中に残っているケースが多い。総務パーソン自身も「自分たちが出社しなければ会社が回らない」という強い責任感を持っており、これが裏目に出て「出社前提」の状況を自ら維持してしまうケースも少なくない。

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