メニュー表で地鶏を使用しているかのように表示していたのに、実際にはブロイラーを使っていた料理があったとして、消費者庁は5月22日、居酒屋チェーン「塚田農場」を運営するエー・ピー・カンパニーに対し、景品表示法違反(優良誤認)で措置命令を出した。
同庁によると、エー・ピー・カンパニーは「宮崎県日南市 塚田農場」「鹿児島県 霧島市 塚田農場」「宮崎件日南市 じとっこ組合」――など6チェーンのメニューに、地鶏を使った料理を展開していると記載した。
記載があった期間は「塚田農場」では2017年4月17日〜8月22日、「じとっこ組合」では16年9月1日〜17年9月3日。
具体的には、「塚田農場」ではメニューの表紙に「地鶏一筋」との印影を掲載。見開きを使って「地鶏は野生の旨味」「限られた農家しか生産が許されないみやざき地頭鶏(じとっこ)」といった見出しや画像、解説文も記載していた。
「みやざき地頭鶏がお店に来るまで」と題したコーナーでは、農家から加工センターを経て、鶏肉が店舗に届く過程も説明していた。
「じとっこ組合」のメニューには、「安全安心で美味しい『みやざき地頭鶏』を毎日 皆様の元へお届けするために。」との見出しと説明文を掲載。地鶏の血統図、流通過程の解説、地鶏の養鶏農家の一覧なども掲載していた(表記はいずれも原文ママ)。
各チェーンのメニューでは、こうした表記の後につくねやチキン南蛮などの鳥料理を掲載していた。
実際には、「塚田農場」は「チキン南蛮」「月見つくね」「塩つくね」の原料にブロイラーを使っていた。「じとっこ組合」では「チキン南蛮」にはブロイラー、「椎茸つくね南蛮」には地鶏ではない鶏肉を使っていた。
消費者庁は一連の表示に対し、「不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害する恐れがある」とし、再発防止と従業員・顧客への周知徹底を求めた。
エー・ピー・カンパニーは同日「多大なご迷惑とご心配をおかけし、心よりおわび申し上げる」との謝罪文を発表。
今後は(1)誤解が生じないメニュー表記を徹底する、(2)役員・従業員向けに景表法関連の研修を行う、(3)メニューなどの制作物のチェックを徹底する、(4)経営レベルでの再発防止体制を構築する――などの対応策を実施する。
顧客への払い戻しも行う。メニューに不適切な表記があった期間中に「チキン南蛮」「月見つくね」など対象商品を購入した消費者に対し、レシートを持っている場合は全額をキャッシュバックする。持っていない場合は食事券などを提供する。
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