人ごとではない? 「セックスパット」駐在員のとんでもない行動世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)

» 2018年05月24日 07時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]

 先日、シンガポールの知人がある記事のリンクを送ってきた。メディア関係者の間で物議になっているという。

 米外交雑誌フォーリン・ポリシー誌で掲載されたその記事は「セックスパット・ジャーナリストがアジアの報道を破壊している」というタイトルで、非常に興味深いものだった。記事を書いているのは、英語圏で活躍する、中国系カナダ人の女性ジャーナリストだ。

 ちなみに「Sexpat(セックスパット)」とは、「Sex」と「Expat(海外在住者)」をもじった造語で、「性行為が目的で海外旅行する人、または海外の駐在員」を指す。「セックスパット・ジャーナリスト」というのは、そんな目的を持ったジャーナリストのことらしい。

 この記事を読んで、筆者は記事序盤に出てくるこんな記述にあぜんとした。「何度も、中国にいる外国人特派員から一方的に『ペニスの写真』を送り付けられた。中国で政府が厳しく監視している『WeChat(微信)』で写真を送ってくるため、中国監視当局の内部のどこかには、驚くような、ジャーナリストたちのペニスの写真コレクションがある」

photo 「セックスパット」駐在員の問題。国際的に活躍するビジネスパーソンにとっても人ごとではない

 現在、世界では性的ハラスメントを問題視する意識が広がっており、「#MeToo」という運動にもなっている。最近も、大物映画監督のリュック・ベンソンがセクハラで告訴されたニュースが報じられたばかりだ。

 もともとは米ハリウッドの大物プロデューサーによるセクハラ問題が大きな騒動になって、長く存在していたこの問題に光が当たったわけだが、膿を出すかのようにその動きはさらに拡大し、セクハラ問題を報じる立場のメディア関係者による性的ハラスメント疑惑も次々と噴出した。

 米国では、世界的に著名なジャーナリストたちを含む20人近い大物メディア関係者のセクハラ問題が表面化する事態になった。

 こうした流れから、これまでなら出てこなかったような、冒頭のような記事が登場するようになったのである。この記事は、欧米メディア関係者がアジアでセクハラを行っていると糾弾するものだ。そして、記事にあるようなセックスパット・ジャーナリストの姿から、国際的に活躍するビジネスパーソンたちにも決して人ごとではないということが見えてくる。

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