「クリスピー・クリーム・ドーナツ」がどん底から復活した、3つの理由水曜インタビュー劇場(トロ〜公演)(1/6 ページ)

» 2018年05月30日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

 カリッ、フワ、トロ〜。日本に上陸したドーナツを食べるために、人々は長蛇の列を成し、あっという間に「行列のできるドーナツ店」の称号を手にした。クリスピー・クリーム・ドーナツ(以下、クリスピー・ドーナツ)である。

 「懐かしいねえ。オレも新宿の店で並んだよ。平日にもかかわらず、1時間以上並んだ」といった人も多いのでは。その後、首都圏で店舗を増やし、大阪、名古屋などでも攻勢が続いた。出店するところ、出店するところで黒山の人だかりができ、9年間で64店舗にまで増えた。

2006年に進出したところ、すぐに行列ができる店に。写真はオリジナル・グレーズド(R) ダズン(12個)

 しかし、熱狂は長く続かなかった。大手コンビニがドーナツ事業に参入したこともあって、“クリスピー離れ”が進んだのだ。急成長の反動などもあって、2015年3月期に8億1000万円の純損失に。店舗数は17年9月末に46店舗まで減少した。「もうクリスピーはダメだね。日本から撤退するでしょ」とささやかれていたなかで、復活の兆しがうかがえるのだ。

 既存店売上高は9カ月連続でプラスを維持。3期連続で赤字が続いていたが、18年3月期は4期ぶりに増益を確保した。店舗は首都圏を中心に10店以上出すという。瀬戸際に立たされていたクリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパンは、なぜ蘇ることができたのか。同社でマーケティングを担当している大内めぐ美さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。

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