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» 2018年07月23日 08時30分 公開

あの宮崎駿も最初はうまくいかなかった:“世渡り力”だけでは生き残れない ダメ人間のための「フリーランス入門」  (1/4)

フリーランスには「40歳の壁」がある――。こんな指摘をしたフリーの編集者である竹熊健太郎氏の書籍が話題を集めている。どうすればフリーランスは40歳以降も生き残っていけるのだろうか。39歳のフリーライターが、竹熊氏に聞いてみた。

[小林拓矢,ITmedia]

収入が安定しないフリーの仕事

 フリーライターというのは本当に苦しい仕事だ。収入の上がり下がりは激しく、しかもそれでいて多いわけではない。世の中では「フリーランス活用」などと叫ばれてはいるが、「本当にそんなにうまくいくのか」と実際にフリーでやっている私は考えている。

 そんな中、「もうすぐ40だよなあ」と考えていた39歳の筆者は、『フリーランス、40歳の壁――自由業者は、どうして40歳から仕事が減るのか?』(ダイヤモンド社)という話題の本に出会った。著者は80年代前半からフリーの編集者・漫画原作者として活躍し、ベストセラーも出している竹熊健太郎さんだ。

 竹熊さんは本書の中で、フリーの表現業者が40歳を境に仕事が減り、生活に行き詰まる人が多いという事実を指摘し、その理由として、担当編集者などの仕事相手がほとんど年下になってしまうことを挙げている。私にとっては身につまされる事実だ。そこで竹熊健太郎さんに、フリーランスライターとして今後どのように生き残っていけば良いのか悩みをぶつけてみることにした。

phot 自由の身であるフリーランスだが、苦悩も多いのが実態だ(写真提供:ゲッティイメージズ)

発達障害とフリーランス

 のっけから竹熊さんは、「表現系のフリーランスには発達障害の人も多いのですよ」と啖呵(たんか)を切った。私はよく分からないので目を白黒させたが、竹熊さん自身も実は発達障害なのだという。そのことは本書の中でも打ち明けている。

 「カミングアウトをしていない人の中にも実はたくさんいる」。そうなのか。あとで発達障害について調べてみると、映画監督や芸能人など、社会的には「人生の成功者」と呼ばれる人の中にも、発達障害の人が多い事実に驚いた。確かにそういうタイプの天才たちは、この国の面倒くさい会社組織にはなじみにくそうだなあ、とも私には思われる。

phot 発達障害である自身の事例を交えながらフリーランスについて語る竹熊健太郎さん

 さらに竹熊さんは言った。

 「才能がある発達障害の人は、日常生活が全くできない。そういう人は想像以上に多い。軽い人はサラリーマンができているが、つらい思いをしている」

 竹熊さんにこう言われて私も気が付いたが、フリーランスは発達障害の人や世の中でうまくいかない人のための「最後の砦」になっている側面も、多少なりともあるのではないかと思われる。経験則的に言えば、特に天才的な表現者には、一般的には「ダメ人間」、と呼ばれるタイプの人も多い気もするからだ。

 竹熊さんは、「この本のメインテーマはフリーが40歳で行き詰まるという話ですが、『フリーと発達障害』というサブテーマもあります」と語っていた。「そんな自分の軌跡が記され、自伝みたいになりました」とのことだ。

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