剛力彩芽が叩かれる背景に、日本人の国民性スピン経済の歩き方(1/6 ページ)

» 2018年07月31日 08時00分 公開
[窪田順生ITmedia]

 視聴率的に惨敗でも、連ドラ主演に起用され続けることから、ネット上では「ゴリ推し」などと叩かれてきたタレントの剛力彩芽さんが、またしても壮絶なリンチにあってしまった。

 交際を宣言したスタートトゥディの前澤友作社長と同じタイミングで、ロシアW杯を観戦した写真をInstagramにあげたところ、「浮かれすぎ」「ファンへの配慮がない」などとバラエティに富んだ批判が殺到し、結局過去の投稿を「すべて削除」することになった。

 ネット民が脊髄反射で石打ちの刑をおっぱじめる「不倫」というわけでもないし、なにかの法やマナーを犯したわけでもない。単に、恋人との旅行を楽しんでいただけなのに、匿名安全エリアから誹謗(ひぼう)中傷を受けるのは、「いじめ」にも通じる陰湿さと言える。

 もちろん、お笑い芸人の大久保佳代子さんが断言したように、「女のひがみ」という面もあるかもしれないが、そういう言葉だけでは説明できない「いじめ」がネットにあふれているのも事実だ。

 例えば、モデルで女優の山田優さんは大阪府北部地震の際、東京都内で渋滞に悩むコメントをアップしたところ「不謹慎」「バカ! 非常識!」などとボロカスに叩かれた。また、女医でタレントの友利新さんは、公園で息子さんがツツジの花をつんで蜜を吸った写真をあげたら、「公園の植物は都道府県や市町村のもの」「窃盗罪もしくは器物損壊罪だ」という怒りのコメントが寄せられ、謝罪した。

 また、「社会のムード」に異を唱えた人をよってたかって袋叩きにする風潮もある。俳優の野村周平さんは、サッカー日本代表のポーランド戦のパス回しに対する持論をTwitterに投稿すると、「選手に失礼」「おめでとうの一言も言えないとは」とボコボコに叩かれ、やはり謝罪に追い込まれている。

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