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厚労省“ブラック企業リスト”更新 「他社の給料を横取り」した保険会社が追加外国人の酷使、給与未払いも多発

» 2018年08月03日 18時30分 公開
[ITmedia]

 厚生労働省はこのほど、労働基準関係法違反の疑いで送検された企業のリストを更新した。6月までの分として40社を追加した一方、厚労省が「掲載の必要性がなくなった」と判断した企業を削除し、掲載企業は416社となった。

 2017年5月に初公開。公表から1年がたったため現在は削除されているが、当初は電通本社やパナソニックなどの大企業が名を連ねる“ブラック企業リスト”として話題を呼んだ。

photo 東京都の“ブラック企業リスト”

他社の給料を横取り

 今回リスト入りした和歌山県の保険事業者「南紀保険グループ」(新宮市)は、他社の就業管理・給与支給に不当に介入し、他社が労働者に支払うはずの給料の一部を15カ月間にわたって搾取し、利益を得ていたという。

 和歌山労働局は「他社と労働者の雇用関係に割り込み、給料を中間搾取するという構図。いわゆるピンハネで、明らかな法律違反だが、手口の詳細や搾取した金額については、捜査などの関係上開示できない」(労働基準部 監督課)と説明する。

photo 「南紀保険グループ」は他社の給料を横取りしていた

外国人技能実習生の酷使、給与未払いも多発

 過去の更新と同様、外国人技能実習生の酷使や、社員への給与未払いが発覚してリスト入りする企業も多かった。

 岐阜県の繊維事業者「坂口縫製」(岐阜市)は、技能実習生9人に対する「36協定」の締結や届け出を行わず、違法な時間外労働を課していた。残業などに伴う割増賃金も支払っていなかった。

 同じく「見須縫製」(羽島市)は、技能実習生7人に対する「36協定」の締結や届け出を行わず、違法な時間外労働を課していたほか、労働基準監督官に虚偽の報告を行っていた。

photo 岐阜県の“ブラック企業リスト”

 千葉県の建築業者「白石建設」(市川市)は、労働者2人に対し、10カ月分の定期賃金計約650万円を支払っていなかった。愛媛県の建築業者「ネクストステージ」(松山市)は、労働者3人に対し、2カ月分の定期賃金契約140万円が未払いだった。

photo 千葉県の“ブラック企業リスト”
photo 愛媛県の“ブラック企業リスト”

 厚労省は「過労死をゼロにするため、今後も引き続きリストを更新していく」(労働基準局 監督課)としている。

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