「協会幹部」という共通点以外は、これまで生きてきた人生も、考え方も異なる両者が、同じような「自滅」の道をたどることは、同じような問題があるということだ。
では、それは何か。筆者は、彼らがともに「スポ根危機管理」に毒されている問題があると思っている。
組織を揺るがすような危機が発生した際に、一般の被害の拡大を防ぐことを「危機管理」と呼ぶ。この危機管理についてはこれまでさまざまな理論が提唱されてきた。「初動が命」という人もいれば、「情報開示の姿勢」がキモだという人もいる。ただ、時にそういう理論を度外視して、「根性」や「気合」というスポ根論によって乗り切ろうとする方がいらっしゃる。
スポ根論で問題を乗り切ろうとする人がいる(写真提供:ゲッティイメージズ)
筆者も報道アドバイザーとして、危機に直面したいろいろな企業幹部たちと会ってきたが、頑なにこちらの進言に耳を傾けず、こんなことを主張される方たちが何人かいらっしゃった。
「世の中からどんなに叩かれようとも、我々は間違っていない。間違っていないのに会見を開いて、頭など下げられるか」
「こちらから説明してもどうせマスコミに揚げ足を取られるだけだ。じっと黙って耐えていれば、こっちが正しいということを、分かる人たちは分かってくれるはずだ」
このようなスタイルでは問題解決が遠のくだけではない。事態をさらに悪化させ最悪、組織に大混乱を引き起こす恐れがある、というのは過去に不祥事がスキャンダルに見舞われた経験のある企業の方ならば、よく分かっていただけることだろう。
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