土肥: ところで、たこ焼きの味はどのように研究したのでしょうか?
沢登: 毎日のようにたこ焼きを焼いて食べていました。タコだけでなく、さまざまな具材を焼いてきましたし、これからも焼いていくつもり。また大阪に足を運んで、有名店などを回って、どのようにすればおいしく焼けるのか研究しました。スタッフの動きを見て、ロボットに応用することはできないかなども考えました。
いまのオクトシェフは“1本の手”で動いていますが、これを人間のように“2本の手”で動かすことはできないか。また、いまは生地を返しやすいように振動する鉄板を使っていますが、動かない一般的な鉄板を使うことはできないのか。この2つを実現すると、より人間がつくっているモノに近い形になるでしょう。
土肥: オクトシェフの動きを見ていると、油引きに始まって、盛り付けで終わる。ただ、重要なことができていないですよね。ロボットにとってソースをかける、青のりをふる、といった作業は難しいのでしょうか?
沢登: いえ、そうではありません。たこ焼きの場合、最後のソースをかけるところでバラエティが生まれますよね。ソースはどのくらいかけるのか、マヨネーズやネギはいるのか、いらないのか。そこは食べる人の好みが大きく分かれるので、人の手でやっています。
土肥: ということは完全無人化は難しいということでしょうか?
沢登: いまのところ、考えていません。無人になると、どうしても自動販売機のような感じになってしまう。技術的に可能かもしれませんが、人の温かみを感じられないのであれば、それはやらないほうがいいのかなあと。
土肥: なるほど。味についてはいかがでしょうか? 「ロボットがつくっても、人間の味には勝てないよ」といった声も多いのでは。
沢登: 食べた人からは「おいしい」といった声をいただいていますが、上手に焼く人と比べるとまだまだ。ただ、いずれは人間よりもロボットのほうが上手に焼けるのではないかと思っています。
土肥: おお! 「AIが人間の仕事を奪う」といった話になってきましたが、何年後にロボットが人間のチカラを超えると思いますか?
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