高橋由伸監督は続投しなければいけない、巨人の苦しい事情赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)

» 2018年09月13日 13時17分 公開
[臼北信行ITmedia]

 えっ? 続投なのか――。驚いたG党は数多いはずだ。巨人の山口壽一オーナーが高橋由伸監督の来季続投を要請するという。9月12日に行われたプロ野球オーナー会議に出席後、メディアに対応し、今季で3年契約の契約が切れる指揮官の去就について来年以降もタクトを振るってもらいたい意向を明かした。

 セ・リーグはマジックを1桁とした広島東洋カープの3連覇達成が目前。一方の巨人は4年連続となるV逸決定の悪夢が刻一刻と近づいている。高橋監督としては就任以来、3シーズンで1度も優勝経験がないのだから屈辱極まれりだ。しかも12日現在で3位とはいえ、最下位の中日ドラゴンズとの差はわずか3.5ゲームしかない。

 加えて1.5ゲーム差で追走する4位の阪神タイガースが残り試合を巨人より10試合も多く残している点は非常に気がかりだ。巨人がクライマックスシリーズ出場権を得るAクラスの座を死守できる保障はどこにもなく、2年連続のBクラス転落危機どころか43年ぶり2度目となる恥辱の最下位に沈む危険性もまだはらんでいる。

巨人、43年ぶり2度目の最下位になるかも(写真提供:ゲッティイメージズ)

 こんな体たらくなのに何で続投要請を出せるのかと不思議に思いたくもなるが、山口オーナーの評価ポイントは高橋監督の若手育成面にあるようだ。確かに今季はいわゆる“ヤングG”たちの成長が著しい。昨季までわずか通算1本塁打しかマークしていなかった岡本和真内野手が今季は30号の大台に乗せ、打点も100打点に迫る勢い。今のところ打率も3割台をキープし、巨人の第89代4番打者として完全に覚せいした。

 ケガで戦線離脱中ではあるものの吉川尚輝内野手も二塁手としてブレイク。3年目の重信慎之介外野手はネックと言われていた打撃で着実に成長の証を見せ、自慢の俊足を生かしながら機動力の面でもチームにとって貴重な戦力となりつつある。

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