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» 2018年09月14日 07時00分 公開

メーカーも「なぜ売れた」と困惑:10年間宣伝ゼロのマーガリン 売り上げが突如6倍になった真の理由 (1/4)

たらこ入りマーガリンが発売10年目に宣伝無しでメーカーも困惑する謎のヒット。Twitterがきっかけだが背景にはそもそもSNSで興味をひきやすい商品の魅力があった。

[服部良祐,ITmedia]

 街中でもネット上でもいろいろな商品広告があふれ、テレビをつければ製品を手に持ったタレントが商品名をCMで連呼する今。メーカーはいかに消費者に商品を認知させて買わせるか、お金や人手をかけて宣伝に努める。当たり前の企業活動といえる。

 そうした宣伝活動のかいもなく膨大な商品が小売りの棚から消えているのもまた事実だ。しかし、逆にメーカーがほぼ広告宣伝をしなかったにもかかわらず発売10年目にして突如、売り上げが6倍に跳ね上がった商品があるという。

ピンク色のたらこ入りマーガリン

 メーカー側も売れた理由がよく分からず困惑するその商品は「マーガリン」。地味な上にここ数年は市場が縮小しているジャンルだ。開発者すらつかみきれないそのヒットの真相に迫った。

photo マリンフードのヒット商品「たらこスプレッド」

 乳製品や油脂食品を製造するマリンフード(大阪府豊中市)は2008年、「たらこスプレッド」(税込470円)を発売した。ふたを開けると目に飛び込む鮮やかなピンク色と、マーガリンの中に乾燥したたらこを混ぜて濃厚な風味にしたのが特徴だ。

 同社でこの商品開発を担当した川村敏美さんは「たらこをマーガリンに混ぜるというアイデアはうちのオリジナル」と胸を張る。九州在住のユーザーから「めんたいこをマーガリンに入れられないか」と相談されたのが開発のきっかけという。

 パンに塗って食べられることの多いマーガリンだが、たらこスプレッドは汎用性が高いのもポイント。パスタに混ぜれば簡単に「たらこパスタ」に。ゆでたジャガイモと混ぜれば「タラモサラダ」になる。ご飯に混ぜるとピンク色の「たらこバターご飯」に化ける。

photo ご飯にたらこスプレッドを入れてピンクの混ぜ飯に。「インスタ映え」しやすい(「Instagram」より引用)

 レシピは同社の社長夫人で専務(開発当時は常務)の吉村厚美さんが考案。料理研究家らが考えた分も含め、HPに少なくとも約30の調理法を公開した。ちなみに吉村さんは大のピンク好きで、パッケージのデザインも監修した。

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