「復旧対策本部にいる知人から緊急連絡 6時間後に札幌市内断水する」。北海道で9月6日に震度7を記録した地震の後、主に断水や携帯電話の不通といったインフラにまつわるデマ情報が爆発的に拡散した。行政の公式情報と大幅に食い違う内容にもかかわらず、北海道内では停電のためテレビなどのマスメディアに触れづらい状況だったため、主にSNSを通じて広まった。
6日には立憲民主党の公式Twitterアカウントが断水に関するデマ情報をツイート、後に謝罪して削除する騒ぎになった。地震後の北海道でどのようなデマが流れているのか、そしてデマが拡散するメカニズムを専門家に聞いた。
SNS上の情報収集や分析を手掛けるSpectee(東京都新宿区)のCEO、村上建治郎さんによると地震後、道民の間で流れたとみられるデマの多くはライフラインに関するもの。断水や携帯電話が大規模な範囲でつながらなくなるといった情報が、Twitterなどで拡散した。
村上さんによると、ツイートの内容に盛り込まれる情報の根拠は、携帯電話の不通のうわさなら「NTTにいる知り合いから聞いたが〜」「KDDIが〜」といった書き方が多いという。断水情報であれば主語は「自衛隊が〜」などとなる。信用力の高い大企業や団体の人から聞いたような書き出しが並ぶが、いずれも根拠は無い。「〇時間後に大きな地震が来る」「地鳴りが発生」といったリアリティーに欠けるデマも登場している。
被災していない平時ではにわかに信じ難いデマが広まるのはなぜか。うわさに関する社会心理学を研究する東京大学大学院情報学環・学際情報学府の橋元良明教授は「デマの発信源は被災地の周辺の人である場合が多い」と指摘する。
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