「SNS上で話題になるきっかけとしては、メディアの記事も一般人の投稿もさほど本質的な違いはない」(担当者)。たらこスプレッドも、もともとネット上ではマリンフードのWebサイトくらいにしか情報がなく、営業担当が他のシリーズ商品と一緒に小売りに売り込む程度の施策しか打ってこなかった。
たらこスプレッドが生まれた08年には「インスタ映え」という概念は存在せず、Twitterも日本で今ほどの存在感は無かった。まさかの10年越しのヒットにマリンフード専務の吉村さんは「ネットの口コミやSNSの影響力が想像以上に大きくなっていると実感する」と話す。
意図せぬSNSでの流行をきっかけに、開発者たちのこだわりが10年後に消費者に届いたたらこスプレッド。「同じようにSNSの世界ではまだ『眠ったまま』で世に出ていない商品はまだあるはず」(ワイズワークスプロジェクトの担当者)。多くのメーカーや小売りが商品を「話題にしようとわざと」SNSでマーケティング施策を凝らす中、商品の魅力がひとたび消費者に知られると勝手にヒットしてしまった今回のケースは、濃厚な味わいの教訓を残したと言えそうだ。
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