バス×食事の「レストランバス」はいかが? 東京でも出発進行1階はキッチン、2階に座席(1/4 ページ)

» 2018年09月23日 08時00分 公開
[ITmedia]

 豪華列車や屋形船などの楽しみと言えば? いろいろ意見はあるだろうが、「列車や船の中で景色を見ながら食事を楽しむことができること」を挙げる人が多いだろう。「乗り物×食事」は想像するだけでワクワクするが、新たな楽しみがまたひとつ増えていることをご存じだろうか。「バス×食事」ということで、その名は「レストランバス」である。

 「えっ、バスの中でご飯を食べることができるの? どうせ弁当が配られるだけでしょ」と思われたかもしれないが、違う。高速バスなどを運営しているWILLERは、2階建てのバスを改造して、1階に本格的なキッチンを完備し、2階には対面式のテーブルを配置。1階のキッチンにはオーブントースター、電子レンジ、冷凍冷蔵庫などがあって、すべての調理機器は電気を使用する。ガスや火は使わない。

レストランバスは2016年4月にスタートした

 2階建てのバスを改造したのは、キッチンと座席だけではない。天井を開閉式の透明にしたので、天気の良い日にはオープントップで景色を楽しみながら食事ができるのだ。……とここまで読んで、疑問を感じた人もいるのでは。バスの走行中に食事をしていたら、飲み物がこぼれたり、料理を落としたりしないのかである。

 もちろん、「100%床に落とすことはない」とは言い切れないが、工夫をしている。飲み物がこぼれないようにテーブルにはコップやボトルを固定する穴を配置している。また、できたての料理はバスが停車中に振る舞われるので、急ブレーキや急カーブなどで床に落とすといった心配もない。

1階にあるキッチン

 レストランバスは2016年4月に、新潟県でスタート。バス業界で初めての試みだったので、もちろんWILLERも経験はない。バスには運転手、シェフ、アテンダントが同乗して、ランチの場合、車中にいるだけでなく、酒場を見学したり、イチゴ農家で収穫体験をしたり。ディナーでも地元のワイナリーなどを訪問したので、「県外の人が乗車されると思っていましたが、乗客全体の6割が県内の人だったのでびっくりしました」(広報の清家美帆さん)

レストランバスで提供されているディナー(イメージ)
天気の良い日はオープントップにして景色を楽しむことができる
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