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SNSでニヤニヤしてしまう、「転身ポエム」を分析してみた常見陽平のサラリーマン研究所(1/5 ページ)

» 2018年10月26日 07時43分 公開
[常見陽平ITmedia]

 「転身ポエム」というものがある。就職、異動、転勤、転職、退職など、仕事における大きな転機となるタイミングでSNSに投稿したり、社内外にあいさつメールを送ったりすることである。

 多くの人が一度くらいは見たことがあるだろう。最終出社日や送別会での集合写真、その場で渡された記念品や花束の写真などがアップされる。その後、長文で「想い」が劇的につづられる。入社した理由、新人時代の下積み、これまでの異動歴、思い出に残る取引先、支えてくれた同僚、お世話になった上司など、たくさんのエピソードと登場人物の名前が書き込まれる。

 写真にも文中にも、これでもかといった感じでタグ付けがされる。そして、最後はお気に入りの名言が引用され締められる。たくさんの人がタグ付けされていることもあって、たくさんの「いいね!」とコメントが付く。

転身ポエムにたくさんの「いいね!」が付く(写真提供:ゲッティイメージズ)

 筆者が記憶している限り、この転身ポエムが大きく話題になったのは、2011年9月のことである。当時、博報堂の社員だった高木新平氏(現在はコンテクストデザイナー、NEWPEACE代表)が、約1年で同社を退職した想いをつづったエントリー「博報堂を辞めました。」が注目を浴びたのだ。

 現在は非公開なので、読むことができないが、はてなブックマークなどには当時の感想が残っている。このエントリーを読んで、多くのブロガーが感想をアップしていた。筆者も書いたので、お時間があるときに読んでいただきたい(参照リンク)。

 もともと、転身ポエム(的なもの)は、スポーツ選手や芸能人など、著名人が読み上げるものだった。「我が巨人軍は永久に不滅です」(長嶋茂雄)、「普通の女の子に戻りたい!」(キャンディーズの伊藤蘭)など、著名人が引退(グループの場合は解散)するときに、名言を残す。

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