「貸し付けとなると、世界中に既存の法律が存在する。契約書なしではお金の貸し借りはできない。しかし契約書を紙でやろうとすると、フォーマットが違い、紙のやり取りにも時間がかかる。書類が存在する以上は時間とコストはなくせなかった。これをなくした仕組みがILP」(日下氏)
この貸し付けの契約に電子IDとブロックチェーン技術を使うことが、ILPの特徴だ。
まずローン契約は、エストニアの弁護士集団が立ち上げた企業、Agrelloのサービスを使って電子的に行い、ブロックチェーンに記録する。パスポートとPCやスマホのカメラを使って顔写真を撮影することで、KYC(本人確認)を行い電子IDを発行。それを使い債権契約に電子的に署名することで、契約を結ぶようになっている。こうした電子的な契約は、すでにエストニアでは一般的に行われているという。
貸し付けはイーサリアムを払い込むことで行われ、利息の払い出しも、イーサリアムのスマートコントラクトを使い自動的に支払われる。いわば、従来紙で結んでいた契約書を、ブロックチェーン上で処理できるようにしたことで、手続きを高速化し、さらに小口であっても処理を容易にした。
さらに契約時にトークンを発行することで、単なるブロックチェーン上の電子契約から一歩進んだ機能を提供した。
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